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中小塾のためのマーケティング講座116 塾・ビフォーアフター

執筆者の写真: 森智勝森智勝

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。


-面倒見の良い塾の作り方/早朝特訓の効果-



口コミ・評判が作られる仕組み

これまでも指摘してきたことですが、多くの中小塾が自塾の特長を聞かれると、「う~ん」と返答に詰まります。その後、8割の塾が「強いて言えば面倒見の良いことですかね~」と答えます。さて、8割の塾が答える「面倒見の良さ」が本当に特長と呼べるでしょうか? 本来、特長というのは自らの評価ではなく、周囲(地域)の評判になっていなければなりません。ところが、多くの塾が答える面倒見の良さは、自己評価に留まっているケースがほとんどです。また、その評価理由も、「当塾は少人数制で、ひとり一人の面倒を丁寧に…」というレベルです。残念ですが、それでは保護者の想定内であり、想定内に留まっている間は評判を作ることはできません。 以前からお伝えしている「感動の法則」を思い出してください。人は、商品を購入する時、ある種の期待値を持っています。大抵の場合は価格がその基準になります。例えば、一二〇円の缶コーヒーを買った場合、購入者は一二〇円分の期待値を持っていると考えられます。そして実際に飲んだ時、一二〇円分のリターンを得たと実感した時、購入者は「満足」を感じます。(そこに届かない場合は全て「不満」です)ところが、このレベルで留まっている購入者は、次の行動(口コミ)に移行することはありません。なぜなら、「一二〇円払ったのだから、一二〇円分の満足を得るのは当たり前だ」と考えているからです。 この「満足」を越えた領域を「感動」と言います。満足のレベルでは動かなかった購入者でも、感動を味わうと次の法則が働きます。それが、「感動した人は、その感動を誰かと共有したくなる」という法則です。 例えば、映画に感動した人は友人に、「ねえ、あの映画見た?」と自ら話題を切り出します。海外旅行から帰ってきた人は、身銭を切って購入したお土産を渡しながら旅先の感動を伝えます。こうした購入者の感動が口コミ・評判を広げる推進力となります。 塾の購入者(保護者)も同じです。いくら塾側が「丁寧に教えています」「面倒見がいいです」と力説しても、期待値の範囲内ならば「当たり前じゃない。高い授業料を払っているのだから…」と思われるだけです。保護者の期待値を越える「感動」を提供しなければ、口コミ・評判は作れませんし、塾の特長と地域に認識してもらうこともできません。つまり、保護者が「そこまでやってくれるの?」という感想を持つサービスの提供が必要なのです。


早朝特訓は保護者を感動させる

昨年来、私が推奨している企画に「早朝特訓」があります。試験当日、朝の五時・六時から授業を実施することです。夕方以降を主戦場にしている塾人にとって、朝の六時は一般の人の真夜中の感覚でしょう。実に辛いイベント?です。しかし、だからこそ効果があります。「そんな早くから生徒は来るのか?嫌がるのではないか?」と思われるかもしれませんが、子ども達は非日常体験が大好きです。(もちろん対象生徒全員ではありませんが)実施した塾からは「予想外に積極的に参加してくれた」という報告が届いています。 朝食も塾が用意します。簡単なおにぎりと味噌汁で充分です。この場合、コンビニのおにぎりは興醒めです。ご家族、スタッフに協力を求め、せっかくですから手作りのものを用意してあげてください。 効果は圧倒的です。以下に保護者からの感想文を紹介します。

「本人は塾へ行くことを楽しんでおり、個別指導にもかかわらず、友人、先輩との交流を深めているようで、ちょっと意外な感じです。しかしこれら全ては、塾長率いる教室の雰囲気のよさ、講師の質の高さ、手厚いテスト対策のお陰と、本当に感謝しております。テスト前の早朝授業の、美味しいおにぎりと味噌汁の差し入れには頭が下がります」
「テスト期間中は早朝にもかかわらず教室を開けていただき、豚汁までごちそうになり、ありがたく思っています。豚汁がとても美味しかったそうです。朝から、元気が出たことと思います」
「テスト当日の補講と朝食サービス、全員に渡された合格祈願のお守り等、塾長と奥様の子ども達を思う親のような暖かさもその1つかもしれません」
「塾での勉強は凄いです。あんなに出来るものなんですね。土日補講・テストの早朝特訓と、3学期は塾が家みたいでした。正直、親も塾長と高橋先生を信頼していましたから、お任せ状態だったような…。学校より信頼していましたよ」

年度末の一般的なアンケートにも関わらず、ほとんど全ての保護者が早朝特訓に触れています。 この冬、初めて早朝特訓を実施した塾の先生からも次のような報告が来ました。

「森先生、今朝は4時起きで早朝特訓を実施しました。6時前に外で待っていたら、ぽつぽつと生徒が来はじめ、そして、来た生徒はみんな中に入らず、外で私と一緒に他の生徒が来るのを待ってくれました。結果的に、中3生全員が来てくれたのには驚きです。みんなでトン汁とおにぎりを食べ、今日のテスト勉強をして、8時少し前に、全員を送り出しました。『今日学校に行ったら、自慢しよう』とか『俺たち、朝6時から勉強してたんだぜとみんなに言ってやろ』とか、うれしい事を言ってくれていましたので、本当にやってよかったと思います。アドバイスありがとうございました」

今回紹介した早朝特訓は1つの例です。分かっていただきたいのは、近隣他塾のしていないこと、真似のできないことにトライしなければ、「面倒見の良い塾」という評判は作れないということです。 塾業界は今、普通の業種になりました。それぞれの「店」が死力を尽して顧客獲得を競い合う「普通のビジネス」です。現在では開業医ですら顧客獲得に苦心している時代です。全国に四万あると言われる塾業界が、いつまでも特殊な業界ではいられません。商品力の向上とマーケティングの工夫は常に考えるべきビジネスの必須条項です。早朝特訓は、塾人としては辛い企画ですが、だからこそ効果は絶大です。また、大手塾にはほぼ実施不可能です。中小・個人塾だからこそ可能な企画です。後は、あなたの決断次第です。

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