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中小塾のためのマーケティング講座117 塾・ビフォーアフター

執筆者の写真: 森智勝森智勝

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。


-熱心な塾の評判の作り方/ナンバーワン戦略-


ナンバーワンでなければ評判は作れない

「2対8の法則社会」と私が呼んでいる社会構造(パレートの法則社会)になると、市場のナンバーワンとナンバーツーの間には大きな格差が生じます。誰もが「最も良いもの」を求めて行動するからです。塾業界でもその傾向は同じです。かつては「近い」が塾選択理由のトップだったのが、今では「我が子に最も相応しい」に替わっています。ただ問題は、我が子に最も相応しいかどうかを判断する術(すべ)が保護者(生徒)の側にないことです。 あなたは、松井とイチローの打撃技術の違いを説明できますか?あなたが通っている歯医者と、隣の歯医者の治療技術の差を知っていますか? 素人は、自分とははるかに力量の違うプロの力量差を測ることができません。学習指導において、生徒・保護者は素人です。そのため、プロである塾の、教師の力量差がわからないのです。結局、何となく良さそうな塾を選択するという行動に出ます。情報社会では、この「何となく」が実は大きな要素になっているのです。 「何となく」を形成するものは評判です。他人が「良い」と評価するものは、何となく良さそうに感じます。ネット上では「イイね」が氾濫し、口コミを作為的に作るビジネスまで登場したのはご存知の通りです。そうした詐欺的な手段は別にして、評判を作ることがビジネス上不可欠なことは言うまでもありません。では、どうすれば評判が作れるか。マーケティング界における有名な格言があります。 世界で一番高い山を知らない人はいないが、世界で二番目に高い山を知っている人もいない。 世界最高峰は誰でも知っているエベレスト(別名サガルマータ、チョモランマ)です。小学生でも知っています。ところが、二番目に高い山、パキスタンのK-2を知っている人はほとんどいません。標高差はたった二〇〇メートルしか違わないにも関わらずです。世界にはエベレスト級(八〇〇〇メートル超)の山が十四もあります。その全てを言える人は、よっぽどマニアックな…クイズ王選手権のチャンピオンを目指している人でしょう。それらよりはるかに低い六〇〇〇メートル級の山、マッキンリーやキリマンジェロの方が有名なのは、それぞれの大陸(北アメリカ、アフリカ)の最高峰だからです。 同じことが、塾業界にも言えます。多分、あなたの地域には十四程度の塾が存在していると思います。その中で誰もが知っている塾は1つか2つなのです。つまり、地域ナンバーワンにならなければ、評判は作れないということです。 問題は、「何で地域ナンバーワンになるか」です。全体規模(生徒数、合格数)では大手塾に敵いません。(ただし、地域を限定すれば勝てることもあります。その可能性がある塾はそれを目指すべきです)そこで、別の要素でナンバーワンを目指します。例えば…。

何かの分野でナンバーワンを目指す

以前から紹介している早朝特訓ですが、私が提案した後、朝の五時から実施する塾が現れました。「他塾が六時からやっているのなら、うちは五時から」という単純な理由です。しかし、それだけでも「地域で最も早くから早朝特訓をする塾」を標榜することができます。 これも昔から提案していることですが、ニュースレターを毎月発行している塾は多いと思います。あなたの塾は何ページのレターを作成していますか?ある塾は、A四版三〇ページのニュースレターを発行しています。正確なことは分かりませんが、私が知る限り日本一のボリュームです。初めて渡された生徒・保護者はビックリします。「先生、ちゃんと寝ているの?」と心配されます。それだけで、「地域で最もボリュームのあるニュースレターを発行する塾」を標榜することができます。 重要なことは、何かで地域ナンバーワンだという評判を作るとある社会的メカニズムが働くということです。例えば早朝五時から授業をしても、「あの塾は早朝五時から特訓をしてくれる塾だ」という評判が生まれるわけではありません。例えば三〇ページのニュースレターを発行しても、「あの塾は毎月三〇ページのニュースレターを発行する塾だ」という評判が生まれるわけではありません。では、どんな評判が作られるか…「あの塾は熱心だよ」…コレです。 原因の1つは「感情の論理」です。人は具体的事象に触れて初めて、抽象的なイメージを持つ性質を持っています。ですから、「面倒見がいいです」「熱心に教えます」「トコトンやります」「人間教育にも力を入れます」…と、抽象的な言葉で力説しても相手は納得しません。それどころか、人は抽象的な表現には反発してしまいます。「そんなの、塾なんだから当たり前でしょ」と思われるのがオチです。三〇ページのニュースレターという具体的な事象に触れて、人は「熱心だ」という抽象的な感想を抱くのです。 もう1つは「ハンカチ理論」です。テーブルの上に広げたハンカチを持ち上げる時、人は無意識のうちに1つの隅をつまんで持ち上げます。ハンカチの中央部分を摘み上げるのはマジシャンだけです。1つの隅を持ち上げると、残りの3隅も遅れて持ち上がります。これがハンカチ理論です。 つまり、何か1つを持ち上げれば、他の要素も遅れて上昇する現象を言います。ニュースレターで塾の熱心さを納得した人は、(遅れて)他の要素…「授業も熱心に取り組んでいる」と理解するのです。これは深刻な問題をはらんでいます。逆説的に言うと、ニュースレターで手抜きをしている塾は授業も手抜きをしていると思われます。チラシに手を抜いていると…以下同文。 「早朝五時からの特訓」や「三〇ページのニュースレター」はあくまで例です。誰でも、どんな塾でも地域ナンバーワンを作れるという例です。生徒数や合格数を結果目標と言うのに対して、これらを行動目標と言います。結果目標は外的要因によって左右されることが多く、達成・未達成は不安定です。しかし、行動目標は自分の意識と行動で必ず達成できるものです。そこに、大手・中小・個人の別は関係ありません。あなたの意思と行動力が全てです。 「門配頻度地域ナンバーワン」「ポスティング回数地域ナンバーワン」「手書きの手紙送付回数地域ナンバーワン」…あなたの得意な分野でナンバーワンを目指してください。 ちなみに、「早朝5時から特訓」を実施している塾は、とあるFCの加盟塾ですが、昨年末から今年1月までの入塾者数がグループ内トップでした。二月以降も順調に体験受講者数、入塾者数共に伸ばしています。「三〇ページのニュースレター」を発行している塾は典型的な個人塾ですが、二年で塾生数が三倍になりました。次は「あなた」の番です。

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