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中小塾のためのマーケティング講座54 入塾面談で感動を与えよう!

執筆者の写真: 森智勝森智勝

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。

塾の現場では新規の募集時期に突入します。今回は「入塾面談」について解説します。塾によっては(特に中小・個人塾は)入塾テストもなく、誰でも受け付けてしまいます。すると、どうしても「質の悪い(低い)」生徒が集まってきます。最近では塾における「いじめ」が問題になっています。学校での「いじめっ子」が在塾しているために敬遠されるという現象が「塾長の知らないところで」起こっていたりします。入塾時の防波堤は塾経営にとって死活問題となっています。(特に中小・個人塾) 入塾面談は、いよいよ重要になっているのです。

面談で塾の問題解決能力を伝える

まず、面談の基本的な注意事項をお伝えします。面談は塾をアピールする場であり、かつ、生徒を選別する場でもあります。この2つの目的に適った面談を心掛けたいものです。また、面談に来た人は有力な見込み客ではありますが、同時に別の塾(平均2つ)にも足を運んでいると思ってください。 まず、塾をアピールすることですが、これを勘違いして一生懸命に塾の良さをアピールする塾長(教室長)がいますが、これは効果的ではありません。本来、塾の良さは入塾してみなければ分からないものです。それを言葉でいくら説明しても相手に伝わらないばかりか、逆に引かれてしまいます。あなたが紳士服売り場で売り子さんに「スーツをお探しですか。このスタイルは今年の流行(はやり)ですよ。よくお似合いですよ。」などとしつこく?勧められると嫌になる(購買意欲を失う)のと同じです。また、車を購買する時も、よっぽどのマニアでない限り、詳しい性能を朗々と説明されるのには閉口するのではないでしょうか。では、ここでアピールすることは何でしょう。それは、なぜ保護者と生徒が面談に来ているか、塾を探しているかを考えると分かります。 塾はニーズで成り立つビジネスです。本来、誰もが行かなくて済むなら行きたくないと思っています。保護者も同じです。行かせなくて済むなら行かせたくないものです。それでも、なぜ塾を探すのでしょう。それは自分たちでは解決できない問題を抱えているからです。その解決法を求めて塾にやってくるのです。有名な言葉があります。「電動ドリルが1万台売れるのは、ドリルを欲する人が1万人いるのではなく、穴を必要とする人が1万人いるのだ。」つまり、目の前の保護者・生徒は塾(ドリル)を欲して来ているのではなく問題の解決法(穴)を必要として来ているのです。 そう思い至れば、入塾面談でアピールすべき事柄も見えてきます。「この塾(塾長)に任せれば問題を解決してくれるかもしれない」という期待感を持たせることです。「車の排気量が…ステアリングが…」ではなく、「この車は家族のコミュニケーションを高めます」と説明することです。 面談の目的が塾の問題解決能力をアピールすることだと気付けば、必ずしなければならない質問が分かってきます。「なぜ塾をお探しですか?」「何かお子様の学習についてお困りのことはありませんか?」と、現在抱えている問題点を聞き出すことです。それをせずに一方的に塾の良さを並べても「痒いところに手が届かない」状態となり、塾に対する期待感を高めることにつながらないばかりか逆効果です。子供が抱えている問題は百人百様です。それぞれの問題にピンポイントの解決法(ヒント)を提供すると共に、万が一、自分の塾では解決が難しい場合は他の有効な塾を勧める勇気も必要でしょう。 注意をしなければならないのは、期待感を高めることと無理な約束をすることは別だということです。ややもすると、入ってほしいがために何でも請け負ってしまう人がいます。「家では勉強しない?分かりました、塾の自習室を毎日利用できるようにしましょう。」「家庭学習の教材が欲しい?いいでしょう、特別に宿題を用意しましょう。」などと安請け合いをすると、後々トラブルを起こす素(もと)です。こうした具体的に期待感を高めてしまうことは不満を生じる原因になります。

ハードルの高い塾を作る

入塾テストを実施していない塾は「別の形」での基準を設けることをおススメします。それは、塾の理念や方針を表すものです。 私が経営していた塾は個別指導でしたので、成績による基準は設けていませんでした。しかし、それに代わるものとして「勉強部屋にテレビを置かないこと」と「勉強中は携帯電話を親に預けること」を揚げていました。この2つを約束してもらうことが入塾の条件だったのです。部屋にテレビやゲームがあるのに「頑張って勉強しろ!」と言うのは無理な注文です。同様に場所と時間を問わずに届くメールは勉強に対する集中力を阻害する何ものでもありません。 こうした基準によって勉強に対する厳しさ、覚悟、そして塾の姿勢を伝えていました。中には「こんな厳しい塾は嫌だ」と言って敬遠する家庭もいましたが、多くは「そうですよね。」という共感を得られたものです。すると、自然と「あの塾は厳しい」という評判が広がり、それを覚悟した家庭しか面談に来なくなります。結果、入塾テストがなくても「教育意識の高い」家庭が集まるようになりました。 人は「いつでも入れる店」には魅力を感じません。「なかなか入れない」からこそ「入りたい」と思うものです。あなたの塾にも「あなたの理念を表現する高いハードル」を設定してください。そのことが結果として集客につながります。 もう一つ、おススメすることは、入塾面談の予約が入ったときに「信頼の置けるご家庭」(これはモニター生等、制度化することをおススメします)に問い合わせることです。冒頭でお話したように、学校での問題児が入塾したために他の生徒から敬遠されるばかりか、在塾生までもが去っていくという現象が頻繁に起こっています。また、こうした問題児は仲間(やはり問題児のことが多い)を誘ってきます。あっと言う間にクラス崩壊を起こす危険性があります。事前にモニター生からの情報を得ることができれば、対処することも可能です。理想を言えば、在塾生の紹介状を入塾の条件にしたいものです。

面談で感動を売れ!

入塾面談はシステムを売る場ではなく、塾長や教室長の「人」を売る場です。究極のアナログビジネスである塾の場合、この一瞬が勝負を分けます。第一印象で全てが決まると言っても過言ではありません。ぜひ、あなたの熱意、情熱を伝えて感動を与えてください。「感動」は自然発生するものではありません。工夫と準備によって作り出すものです。「作り物」と分かっていても映画や芝居で涙することがそれを証明しています。 さあ、塾内で面談のシュミレーションをしましょう。わずかの時間で塾への期待感、信頼感を持ってもらえる面談の方法を考えるのです。分教室のある塾は教室長任せにしていてはいけません。「見込み客」を「顧客」に変える最も大切な瞬間です。また、実は塾の評判を作る第一歩でもあります。顧客ロイヤリティは最初の段階が最も高いことが知られています。ここで「感動」を与えると次のメカニズムが働き始めます。そう、感動した人は、それを誰かに伝えずにはいられなくなります。同じ時期、塾を探している友人は大勢います。その友人に対して言ってもらうのです。「今度、息子が通うことにした塾の先生はスゴイよ!」これが「紹介」を得る最初のチャンスです。過去に経験があるはずです。入塾したばかりの生徒が何人も「紹介客」を連れて来てくれたことが。 さあ、新年度の戦いが始まりました。健闘を祈ります。

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