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  • 執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座60 会議を躍らせるな!

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。

本誌別冊「速報」上で会議の方法についての「ちょっとしたヒント」をお話しました。すると、ある塾経営者から「大変参考になりました。やってみると、会議の雰囲気がガラッと変わりました。」と声を掛けられました。考えてみれば、中小塾、あるいは個人塾でもミーティング(会議)は必要です。それが単なる報告会で終わっているのはもったいないことです。今回は十倍成果の上がる会議の方法についてお話します。

会議を行う意味を知る

多くの塾経営者から聞かれる悩みの一つに、「ミーティング(会議)が活性化されない」ということがあります。 曰く「スタッフから建設的な意見が出ない。」 曰く「いつも業務連絡的な内容に終始する。」 曰く「会議を嫌うスタッフが多い。」 スタッフが社員であれ、バイトであれ、一人でも存在している以上、会議・ミーティングは不可欠です。ところが、塾経営者は会議が苦手です。いつも経営者が一方的に話すばかりで、参加者から意見が出ない。出たと思ったら文句ばかり…。しかし、それでは塾内が活性化しません。 まず、会議とは何のために行なうのでしょう。一般的には次のように言われています。 ①参加者がお互いの意見を出し合い… ②その中から新たな発想を生み出し… ③全体の実行につなげていく場 加えて、せっかくの会議ですから、次のような機会にしたいところです。 ・スタッフのやる気を向上させる場(モチベーションの確認と向上) ・自立した人材を育成する場(研修を含むエデュケーション) ・チームワークを形成する場(社内コミュニケーション) ・組織を活性化できる場(日常のイノベーション) ところが、実際には経営者もスタッフもストレスを溜める場になっていたりしまいます。そんな会議をイノベーションしましょう。

会議の正しい進め方

会議の流れは次のようになります。

「準備」→「場作り」→「発散」→「収束」→「計画化」

「準備」で最も大切なことはテーマです。何度もお話していることですが、大きすぎるテーマを掲げると、スタッフもイメージが抽象的になり具体的な意見を持たないまま会議に臨んでしまいます。コレでは意見が出ないのは当然です。大きすぎるテーマの例としては「塾生を増やす方法について」「冬期講習について」等々です。「何でもいい、塾生を増やす方法を考えろ」と言っても無理です。挙句の果て、「何だ。何の意見もないのか。君たちは日頃、何も考えてないんだな。」と叱責して、いよいよムードを悪くしてしまいます。また、この「~について」という表記はダメです。チラシの「小見出し」で「~について」はダメという話をしましたが、理屈は一緒です。テーマは疑問形で提示することです。

例:どうすれば紹介を増やすことができるか?(ただし、これはテーマが大きすぎます)

できる限り塾の課題を細かくして具体的な疑問文で提示することです。それで初めてスタッフはイメージを持ちます。イメージを持たないと意見は出てきません。「人は具体的事例を見て抽象的なイメージを持つ」という原則はココでも生きています。なお、当然ながら、テーマを当日発表では失敗します。事前に伝えて「会議で出してほしい意見、アイディア」を求めておいてください。これも重要な「準備」です。 次に大切なことは、終わりの時間を明確にすることと、事前に(会議の冒頭に)終了時のイメージを共有化することです。 例えば1時間の会議で、終了時間が午後3時だとします。会議の最初に「午後3時には今日のテーマについての実行可能な解決策が3つ程度に集約されて、全員で前向きに取り組めるような会議にしよう!」と座長が宣言することです。終点をハッキリさせることで、迷走を防ぐことができます。 「場作り」は重要です。参加者が気楽に意見を言いやすい雰囲気を作ることです。ややもすると経営者(上司)が最初から威圧的な雰囲気を漂わせて会議に臨んでしまいます。厳しいことを言わなければならない日もありますが、それを最初から匂わせるのは「百害あって一利なし」です。 会議の最初に「軽い話題」から入って、場を和ませる工夫をしてください。これを「アイスブレイキング」(氷を溶かす)と言います。私がセミナーの最初に歴史の小ネタを披露するのが「アイスブレイキング」です。 よく使われる手法としては「GOOD&NEWS」が挙げられます。プライベートや身近に起こった「ちょっと嬉しかったこと」をそれぞれが披露します。それだけでも随分と場の雰囲気が変わります。 いよいよ本格的な会議に入ります。「発散」とは多くの意見を出してもらうことです。ここで必要なことは進行役の質問力と調整力です。質問の重要さは以前から指摘していますが、正しい(有効な)意見を引き出すのは正しい(有効な)質問です。 最も重要なことは調整力です。例えば、塾生の退塾が問題になったとします。本来は次の順番で討議します。

現状認識(現在)→原因追求(過去)→解決方法(近未来)→計画・目標(中期未来)

ところが座長の調整力が働かないと、過去を話しているときに未来の意見を言う人がいたり、解決策を話している途中で過去の話を蒸し返したり…収拾がつかなくなります。時制を守ることです。時制の外れた意見を言おうとしている人に対しては「それは次に詳しく話し合いますから、今は原因分析の話を続けましょう」と、流れに戻さなければなりません。 会議の途中で煮詰まって、意見が出なくなるときがあります。そんな時に有効なのが、少人数によるアクティビティです。二人一組(多くても3人まで)で数分間、話し合いをさせます。2~3人ならば気軽に話せるので、意見も出てきます。それを発表してもらいます。ほとんどの場合、意見がないのではなく、意見を言う勇気がないだけです。 この進行役の(物理的な)立ち居地も重要です。ほとんどの会議で「進行役も座って」います。立ちましょう。そして、ホワイトボードに発言の要旨を書きながら進行するのです。出席者も目で確認しながら自分の違憲を考えられるので、迷走しなくなります。また、会議に「動き」が加わると、空気のこわばり(沈滞ムード)を防ぐことができます。 最後に重要なことは、どんなクダラナイ意見も否定しないことです。「何だ、そのクダラナイ意見は。もっとマシなことを言え!」これでは誰もが萎縮して「まともな意見」さえ発言できなくなります。 最後は意見を収束させ、必ず一つの結論(実行可能な具体的対策)を出し、計画化して会議を終わらせます。そのことで参加者が達成感を持つ会議になります。塾(教室)の活性化は会議の活性化から始まります。それは規模の大小に関係ありません。一度、トライして下さい。

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