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  • 執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座79 新年度開始!/塾・生き残りの鍵は?

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。

2010年3月私塾界掲載分


塾も社会構造の変化と無縁ではない

新年度がスタートします。今春の新年度募集状況はいかがでしょうか。執筆現在(一月)の予想としては、かなり厳しいと考えているのですが…。 これからの塾業界を俯瞰した場合、全ての塾が生き残ることは難しいというのは衆目の一致するところです。では、どういった塾が勝ち残るのでしょうか。それは、他業種の趨勢を見ると分かります。 例えば外食産業を考えてみます。

以前の寿司屋には「この道ウン十年」の職人がいて、地域のファンを掴んでいました。出前のできる範囲の地域を顧客対象とするだけで、特に宣伝をすることもなく十分に経営が成り立っていました。一人前の寿司職人になるためには、中卒で修行を始め、少なくとも十年は必要でした。

ところが、そこに黒船が出現します。回転寿司の登場です。贅沢品だった寿司は一気に大衆化し、修行の必要もない機械が寿司を作る時代がやってきました。街の寿司屋は廃業に追い込まれ、より高級な寿司屋と開店寿司店が生き残る二極化が猛烈な勢いで進みました。

同様のことは和食、イタリアン…すべてのカテゴリーで起こっています。他の業界でも同様です。以前は当たり前のように存在した「八百屋」「魚屋」「お菓子屋」「喫茶店」…そうした店が街角から姿を消そうとしています。

変わって登場したのが、郊外に展開する大型スーパーとコンビニ、そして外資系のカフェです。 つまり、好むと好まざるとに関わらず、どの業界でも旧態然とした経営手法では生き残れないのは明らかなのです。それは規模の大小を問いません。塾業界も同じです。

自塾がどこに立ち、どこを目指して行動するかという戦略的思考を持った経営をしなければ、勝ち残るのは難しいと考えています。以前のような、行き当たりばったりの「家内制手工業」的な経営スタイルからの脱皮を図ることが急務です。 現在の日本は、大きな転換期の渦中にあります。それは、リーマンショックのような小さな?経済動向を指すのではなく、より大きな変革の波を指します。根本的問題は、二〇〇六年秋をピークに日本の人口が減少に向かったことに象徴される人口構成の変化です。

人口構成の変化は当然、社会構造の変化をもたらします。我々が生きる教育界も無縁ではいられません。 現在、小学生を対象とした補習塾は全国的に壊滅状態です。そこにニーズ圧力が存在しなくなったからです。同様に、高校受験すらニーズ圧力の低下が見られます。今の受験ニーズは「小学・中学受験」と「大学受験」に集約されつつあります。 これまで、塾の顧客ボディゾーンと言えば「小学高学年~中学生」でした。しかし、これからは「中学生~高校生」にシフトする必要があります。

当然、まず考えなければならないのは高校部の創設です。これまでは指導者レベルの問題がありましたが、現在では多様な映像教材が流布されており、講師確保が難しい地域でも高校部の開設が容易になっています。すると、次に考えなければならないのは自塾生を高校部に継続させる仕組み作りです。多くの中小塾がこの部分を苦手としています。 以前は高校生の通塾率が低かったため、新規顧客を獲得することが容易でした。しかし、今は多くの塾が高校部を持ち、自塾生の囲い込みに躍起になっています。また、一度離れた生徒は「後ろめたさ」もあり、元塾には戻り辛いという傾向を強く見せます。自塾生の高校部への継続は必須の課題です。 そうして、塾の構造を「中学生~高校生」へとシフトさせることは、塾の生き残り・勝ち残りのための大きな要素となることでしょう。

地域に無くてはならない塾になるために

中小塾が地域で勝ち残るもう一つの鍵は、時代の不透明感の中にあると考えています。

これだけ社会が大きく変化すると、ほとんどの人が将来不安…いえ、将来どころか目の前が見えない不安を抱えることになります。そうした時は誰もが、物の本質を適確に指摘してくれる人物(メンター)の存在を求めます。

塾人である「あなた」が、単なる学習指導者(技術屋)を脱皮して地域のオピニオンリーダーになることです。地域にとって無くてはならない必要とされる人物(塾)になることです。保護者から見て、子供の将来を託すに足る人物になることです。

それには、学習指導に留まらない情報発信が必要でしょう。地域の人が「なるほど、そうだったのか」と思うような。 例を挙げます。 昨年末も長引く不況の影響で「年末派遣村」なるものが各地に設置されました。テレビ等でも特集が組まれ、ご覧になった方も多いと思います。

報道によると、一年前の「村民」のうち正規雇用された人は全体の五%、非正規の採用を含めても十二%だそうです。多くは生活保護で生活しています。 なぜ、こんな状況が生まれたのでしょうか。多くの理由が言われています。

「世界的な金融ショックで大不況になった」「小泉時代の改革路線のツケ」「派遣労働法の規制緩和」「大企業が社内留保を崩さずに安易に労働者の切捨てを行なった」

…どれも間違いではないでしょう。しかし、どの専門家も知っていながら言わない本当の理由、根本的な原因があります。

多分、口にすると世間から非難を浴びるので言わないのでしょう。その根本的原因とは…女性の社会進出です。 かつては「非正規(パート)」「失業者=無職」の地位を、有無を言わさず専業主婦という立場の女性に押付け、社会全体がそれを容認していたのです。

時代は変わりました。多くの優秀な女性が社会進出することで追いやられる男性が増えてきました。かつて女性に押付けてきた役割?を、男女の区別なく担う時代が来たのです。

我々は、そうした時代を嘆いていても意味はありません。ひとり一人、その時代に合わせた方策、知恵、能力を身に付けることです。それが「前向きに生きる」ということです。 こうした社会分析を添えた上で「だから子供たちに必要な能力は…」とアピールすれば、説得力が増します。これはマスタービジネスの手法の一つですが、「あなた」が地域のマスター(先生)となることで、無くてはならない人物になるのです。 詳しい説明は省きますが、私は今年一年が向こう十年の趨勢を決定付ける重要な年と考えています。あなたの持てるエネルギーの全てを今、投入して下さい。

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