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  • 執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座81 無駄を恐れず挑戦することが成長につながる

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。

2010年5月私塾界掲載分


「○○しないこと」は差別化ではない

昨日、とある企業の若手経営者と会食しました。塾業界にも顧客を持ち、客観的な立場で評論できる人物です。彼が示唆に富んだ話をしてくれました。曰く…

「塾業界は、一般のサービス業が当たり前に行っていることが出来ていない。その当たり前のことを当たり前に実行するだけで差別化が図れる。」

私も以前から強調していることですが、一般のサービス業が当たり前に出来ていること、例えば、見込み客が来場したときのおもてなし・挨拶・電話対応・笑顔…多分、一般企業では最初に学ぶこと、研修で必須の項目についての教育がなされていないのです。個人塾さんなら、経営者が自分に課さなければならない訓練?です。ところが、多くの塾でおざなりになっています。私も仕事柄、多くの塾を訪問したり電話を掛けたりするのですが、その対応に「?」の塾に出会うことがあります。電話の向こうから沈んだ声で応答があったり、中には塾名すら名乗らない塾もあります。これでは、いくら「授業は素晴らしい」と言っても、それ以前に見込み客は「回れ右」をしてしまうことでしょう。 冒頭の経営者は、もう一つ面白いことを示唆してくれました。

「差別化にこだわるあまり、マニアックになってしまっている塾がある。結果、基本的な王道を外してしまい、支持を失っている。」

これは非常に深い話です。差別化はもちろん重要です。しかし、絶対に押さえなければならない基本があります。それさえも差別化・独自化の名の下に放棄してしまうと、市場の支持そのものを失ってしまいます。市場に支持されない差別化は、路上ライブで吼えているアマチュアバンドと一緒です。こだわりは大事です。しかし、それは社会から支持されるものでなければ意味がありません。我々は趣味で塾を経営しているのではありません。プロとしての凄みを感じさせる差別化でなければ意味がないのです。 加えて、私が気になるのは「○○はしない」というマイナスのこだわりを差別化と勘違いしている塾があることです。「うちは門配はしない」「うちはスーツは着ない」「うちはチラシはまかない」「うちは会議はしない」「うちはイベントはしない」…もちろん、それに替わるより効果的な方法を見つけ、実行しているのなら問題はありません。ただ、その理由が「昔はそれでも生徒が集まっていた」という過去の成功体験だとしたら、それは成長の停滞です。

無駄で終れば御の字と考えよう

今日、息子とDVDを借りに行きました。そのレンタルDVD屋に、今まで置いていなかったものが置かれていたのです。DVDの新作とか、私が借りたかったけどなかったDVDとかいう類のものではありません。「スナック菓子」です。ポテトチップスとか、じゃがりこ、ポッキーなどなど・・・。レジの横に棚を設けて。それと「カップヌードル」もありました。なるほどぉ! DVDを借りた人が、土曜日の夜、どんなふうにDVDを観るか。1人暮らしの人であれば、さっと夕食を済ませて、スナック菓子をつまみに、ビールでも飲みながら・・・。小学生の子供がいる家族であれば、食後に、家族がリビングに集まって、ポテトチップス食べながら・・・。私は、土曜日の夜、ワインを飲みながら、ポテトチップスというのは、結構あります。 DVDのレンタル業として、お客様がDVDを観ているシーンを想像し、そこに必要なものを揃えて、提供する、お客様の使用シーンをどれだけ克明に描くことができるか、これがお客様への提案力につながると思います。 ひょっとすると、売れなくてしばらくするとなくなっているかもしれません。が、こうして仮説と検証を重ねることがマーケティングとして大切なことです。 以上の文章は、私が学んでいるコンサルタントの宇井氏のブログの文章です。アップ・セールスについて、レンタルDVD屋の取り組みを紹介しています。 私が以前から強調していることに、「相手の立場に立った想像力」というのがあります。このDVD屋さんは、正にDVDを借りた人の生活パターンを想像して取り組んでいます。実際のところ、そこから得られる利益は、もともとたいしたことはありません。それよりも、そうした「他店とは違うチャレンジをしていること」が醸(かも)し出す店のイメージの方が重要であり、効果は大きいと思います。そして、それこそが正に他店との差別化につながります。 この文章の中で最も重要な箇所は末尾の一文です。「こうして仮説と検証を重ねることがマーケティングとして大切なことです。」ここでは「マーケティングとして」とありますが、「塾の(人の)成長として」と置き換えて考えてください。 成長の過程、方法を一言で表すと、正に「仮説と検証の積み重ね」に他なりません。科学の進歩も、そうした過程によって実現されます。ところが、多くの人が「仮説」を思いついた瞬間、「どうせ、無駄だろう」「どうせ、失敗するさ」「どうせ…」という否定的な思考に傾きます。その思いとの対決に打ち勝ち、検証作業まで踏み込んで実践できるかどうか…。そこが分かれ道です。 「どうせ…」という否定の思いに負けて動かない人には成長はありません。私が「闇夜にクレバスを飛べ」と力説する真意の一つがここにあります。かと言って、落ちたときに致命傷を負うほどの深くて広いクレバスまで飛べと言っているのではありません。多少の資金と、多少の労力のロスで済むのであれば、飛ぶべきなのです。キーワードは「無駄で終わるなら御の字」です。 多くの人が「無駄」を恐れすぎています。無駄ということは±0ということです。ならば、チャレンジしない手はない。なぜなら、表面上の成果は0でもチャレンジした分だけ成長できるのですから。今の「無駄」は将来への「投資」です。ぜひ、無駄を恐れずに実践してください。それが「あなた」を成長させ、塾を成長させる唯一の方法です。

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