top of page
  • 執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座86 今、あえて戦術の重要さを問う[1]

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。

2010年10月私塾界掲載分


ビジネスは仮説⇒検証の繰り返し

ビジネスをしていれば、上手くいくこともあり、失敗することもあります。大切なことは、その原因を常に追求することです。「なぜ、上手くいったのか」「なぜ、失敗したのか」…それがなければ、いつまで経っても行き当たりばったりのビジネスを繰り返すことになります。 秋は前期を振り返り、後期の戦略・戦術の修正と来期の戦略構築が必要な時期です。 外的要因と内的要因に分けて、冷静に、客観的に分析して下さい。もちろん、そこで出てくる「原因」は一つの仮説に過ぎません。それが本当に正しい原因かどうかは検証作業が必要です。 例えば、新規顧客獲得数が減った理由を「広告宣伝費の削減」という仮説を立てたとします。ならば、来期は広告宣伝費を戻してみる。それで獲得数が回復したなら、仮説が正しかったと証明できたことになります。全ての分野でこの作業を積み重ねることです。 ビジネスは仮説⇒検証を不断に行なう行為の連続です。 多くの塾経営者がビジネスをしていません。

結果、ビジネスをしている他塾に負けてしまいます。 私は実践会創設の時から、経営と運営(教育)を分けて考えるべきであり、その両立は絶対に可能だという主張を繰り返しています。可能どころか、それこそが塾が成し得る社会貢献の王道だと考えています。

「より良い学習環境を一人でも多くの生徒に提供すること」以外に、塾が目指す社会貢献は思いつきません。

「うちは口コミだけで生徒が集まるので、広告は必要ありません」という塾がありますが、そんなに素晴らしい塾なら、積極的に情宣活動して一人でも悩める子供を救うべきです。あなたの塾を知らずに他塾へ行って不幸になる子供を作るべきではない。

もし、「この人数で充分です。生活するのには困りません」と考えているのなら、それは自己チューです。教育者として失格です。

結果、成功して塾が大きくなることもあれば、失敗することがあるのもビジネスの常です。ただ、成功を目指す努力を放棄することがいけないということです。

戦術は「何となく…」を作り出す

長い前振りを終えて、今月のテーマについてお話します。

とある経営コンサルタントによると、経営者の成すべき役割は、①「方向付け」②「資源の適正配分」③「人を動かす」の3つになるそうです。

今回は、それを「戦術」に落とし込んで考えます。 もともと、戦略とは目に見えない部分です。

目に見えないため、どうしても疎かになります。しかし、重要度は「戦略:戦術=8:2」です。近年では「戦略ブーム」と言っていいほど書店には戦略本が並んでいます。ところが、戦略という言葉が独り歩きを始めると困ったことが起こります。

いわゆる「戦略至上主義」とでも言うのでしょうか、あるいは「戦略症候群」と言ってもいいと思うのですが、机上の思索に熱中するあまり、「戦術=目に見えるもの」に落とし込む作業を軽視してしまいます。

確かに重要度は「戦略:戦術=8:2」ですが、戦略ばかりをやって戦術が0だと、全体の成果は「0」です。(ちなみに戦術ばかりで戦略が0だと、全体の成果は「2」になります。)

私が指摘しているのは、多くの経営者が戦術ばかりに意識がいっているので、実に非効率な経営をしているということであり、戦略を重視することと戦術を軽視することはイコールではありません。

どちらも100パーセントやって初めて、成果は10になります。戦略と戦術は車の両輪です。どちらが欠けても前には進みません。

さて、戦術の部分は得意・不得意がありますので、「必ずこの方法でなければならない」ということではありません。何もしないことがダメなのであり、山の頂に到着する方法は100通りあります。それを前提として話を聞いて下さい。

以前はよく「直筆の手紙を書くだけで生徒が集まりますか」とか「ニュースレターを作成するだけで退塾が防止できますか」という質問を受けましたが、それだけで経営が好転するならビジネスは楽です。

戦術(形)は「質より量の法則」が生きています。それらを積み重ねることによって、ある効果を発揮します。その効果とは…

「何となく…」

コレです。


何となく居心地の良い空間…例えば旅館とかホテル…をどう作るか。

ぜひ、一泊3万円以上の価格でも客で賑わっている…いわゆる「高級旅館」に泊まってください。勉強だと思って。

それはそれは細部にまでこだわった配慮がなされています。絵画、書、花…そうした装飾はもちろん、掃除や接客に至るまで、ここまでやるか!という徹底振りです。「そんなところ、客は見ないだろう」という部分まで配慮がなされています。

脳科学的に言うと、「見る」と「見える」は別です。意識して見たものは左脳(顕在意識)に、意識せずに見えたものは右脳(潜在意識)に入っていきます。

そして、「何となく…」を作り出すのは右脳(潜在意識)の働きです。

確かに我々は、部屋に案内される途中の廊下に掲示されている絵画を意識して見ることはないでしょう。しかし、目を開けている以上、その絵画は「見えて」いるはずです。

また、よっぽど神経質な人でもない限り、隅に落ちている小さなゴミ(ホコリ?)を苦にすることはありません。しかし、それも「見えて」いるのです。

そうしたことの積み重ねが、結果として「何となく居心地がいい」とか「何となく居心地が悪い」という「何となく」を作り出しています。

この「何となく」を作り出しているのが、小さな戦術の積み重ねなのです。(次号に続く)

最新記事

すべて表示

中小塾のためのマーケティング講座106 モチベーションを上げる![2]

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。 -人は行動することで意欲を高める生き物だ- 「ふりだしに戻る」からの脱却 何かをやろうとすれば、反対意見が出るのは当然です。反対意見の出ない提案、例えば「命の大切さを教えましょう...

中小塾のためのマーケティング講座105 モチベーションを上げる![1]

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。 -マネージャーに留まるな、リーダーになれ!- 職場から「それは私の仕事ではない」を排除する 塾業界に新たな仲間(社員)が加わって、活躍を始めています。希望を胸に業界に飛び込んでき...

Comments


ホームページの改善に役立つ
チェックシートをプレゼント!

bottom of page