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  • 執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座98 秋に流行する退塾伝染病を防止せよ!

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。

2011年10月私塾界掲載分


-「飽きる」の撲滅が鍵を握る-


秋に退塾伝染病が流行る理由

2学期は「退塾伝染病」が大流行する季節です。

特に、部活が盛んな地域では新チームが新人戦に向けて力を入れ始めます。やっと、定位置(レギュラー)を掴んだ生徒、新キャプテンに任命された生徒は、ややもすると「自分を犠牲にしてもチームのために」という間違ったチーム愛に染まってしまいます。そうでなくても、勉強が疎かになりやすい季節です。油断をしていると、塾離れを起こします。


もう一つの原因は、「高いお金を払って夏期講習を受けさせたのに、さっぱり効果がなかった」という落胆の思いです。

中3は大丈夫だと思うのですが、他学年はどうしても受講生の緊張感が足りない上、塾側の力の入れ具合が足りなくなります。結果、休み明けの模試、実力テスト、地域によっては9月に実施される定期テストの結果が芳しくない。これで母親に失望感を生じさせます。「来年は受験生なのに、今のままでいいかしら?」という思いが転塾を促します。


これからが勝負です。「日々是戦場」の意識を持ってスタッフを引き締めて下さい。塾側の緊張感がなければ、生徒に「緊張感を持って勉強しろ!」と言っても伝わりません。

まずは、「あなた」をはじめとする塾スタッフ全体が緊張感を持って指導に当たること。そんな当たり前のことが最も重要です。


その上で退塾防止の策を練ります。


まずは「卒業」「忘れる」の対応を

「客離れ」の原因は次の3つです。

  1. 卒業

  2. 忘れる

  3. 飽きる

1の「卒業」は、塾にとって避けられない要素ですが、少なくともこの時期に通常生が卒業することはありません。

問題なのは講習生(外部受講生)です。講習が終れば、基本的に卒業です。あなたの塾の外部受講生は全員、正式入塾しましたでしょうか。

講習だけで終った生徒は、「夏期講習は受けたけれどイマイチだったので…」という悪評を生みかねません。これは絶対に避けたい。もし、一人でも正式入塾しなかった生徒がいるのでしたら、今すぐ対策を講じて下さい。

学習カウンセリングを実施するなり、定期試験の補講に招待するなり…正式入塾は無理でも、「熱心に対応してくれる」というイメージは持たせたいものです。それが悪い評判を防ぎます。


講習生の継続通塾に関しては、これまで耳にタコができるくらい話してきましたので、充分な対策を講じているとは思いますが、もう一度、まだ出来ることはないか、検討してください。


2の「忘れる」は、講習を受けていない上に、通常授業も休みがちな生徒に起こります。

最も多いパターンは、長期に渡って地元を離れていた生徒です。里へ帰っていた。海外旅行(短期留学)していた。こうした生徒は、塾に通うことを忘れています。(もちろん、記憶を喪失しているわけではなく、通うリズムを失っているという意味です)

9月以降、塾を休みがちな生徒はいませんでしょうか。そうした生徒には臨時の面談を設定するなど、早急の対応が必要です。

塾が「あなたを忘れていませんよ」とメッセージを送ることです。客が店を忘れる根本原因は、店が客を忘れていることです。何の接触もしないと、客は「ああ、私は忘れられている」と感じます。

部活に熱心で、夏休み中に塾を休みがちだった生徒も同様です。「この夏は部活に頑張りましたね。でも、その分、勉強が疎かになっていないか、ちょっと心配しています」と、メッセージを送ってください。そうした生徒を対象とした「特別補講」を企画してもいいでしょう。


教育説明会(保護者会)を開くのも効果的です。

何か理由を付けて?「緊急のご案内」を書いてみてはいかがでしょう。とにかく、出来ることはなんでもやります。やりすぎて逆効果になることはありません。


「飽きる」の撲滅が至上命題

以上の2つの理由に対して、3の「飽きる」は最も深刻で、最も普遍的な原因です。

通塾は、生徒にとって生活の一部となっています。そのお陰で?塾は他業種に比べて「客離れ率」が圧倒的に低い業種です。しかし一方で、一度客離れを起こしたら二度と戻ってきません。

また、業務がルーティーン・ワークとして確立されていればいるほど、「飽きる」という危険がひっそりと忍び寄っているものです。塾側の油断が生じます。気付いたときには深刻な「退塾伝染病」が蔓延することになります。

もちろん、「飽きる」が日常の中に潜む危険である以上、日常的に対策をとる必要があるのですが、インフルエンザと同じく、伝染病が流行りやすい季節があります。云うまでもなく、2学期です。

春に入った生徒も塾に慣れ、日常化しています。運動会、文化祭、遠足、新人戦…学校行事も目白押しで、集中力が散漫になります。ここで塾が日常的なリズムのままでいると、「刺激が足りない」と感じ、単調な時間に飽きてきます。


そこで、塾も学校行事に負けない刺激を塾生に与えることが必要になってきます。


私は半分冗談で、半分は本気で「秋に浜崎あゆみを連れてきましょう」と提案しています。「何かワクワクすることが先に待っている」と思えば、人はその場から離れようとはしません。それがボーリング大会でも、社会見学会でも…塾生達が「その日」をワクワクして待てるイベントを企画してください。コツは…

そう、「あなた」が「その日」をワクワクして待つことです。スタッフ全員が「その日」をワクワクして待つことです。

そのためには「お祭り騒ぎ」のように塾全体で盛り上げることです。ポスターを作成して壁に貼りましょう。毎日「楽しみだなあ、早く来ないかなあ~」と云い続けましょう。

実は、「飽きる」は生徒だけではなく、「あなた」をはじめとするスタッフにも起こる現象なのです。


一番避けたいのは「形式的なイベント」です。「何かやればいいのだろう」と、中途半端に行なうことです。これではワクワク感も生まれませんし、当日、白けた雰囲気が漂ってしまい、逆効果です。


「塾長が一番楽しみにして、一番はしゃいでいたよね」と言われるくらいで丁度いいと考えてください。


こうしたイベントは、塾にとってコアの部分ではなく、周辺部分です。

いつも云っている様に、コアの部分は内的要因(動因)が必要ですが、周辺部分は外的要因(誘因)でしかありません。どこまでいっても形式知の一つです。

あまり神経質になって「塾だからイベントも勉強につながるものを」と、こだわる必要はありません。かえって、それではコアとのギャップが作れませんので、塾の全体像が魅力的に見えなくなってしまいます。


勉強する時と遊ぶ時のメリハリ、ギャップを作り出すのがイベントの目的です。


日常の中の小さな変化と、年に何回かの大きな変化(刺激)の組み合わせが重要です。小さな感動と大きな感動と言ってもいいでしょう。「どちらが大切」ではなく、塾というビジネスにとっては「どちらも大切」です。


我々は、教育者であり経営者です。教育と経営はどちらも大切であり、必ず両立するものです。さあ、11月のイベントを企画してください。その日が待ちきれないというイベントを。

それが今、必要な「飽きる」を防ぐ最大の対応策です。

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