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  • 執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座(4)「読み手に反感を売って歩いていないか?」

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。


反感を買うキャッチフレーズ

前回までキャッチコピーを中心に話を進めてきたが、今回はリード文、小見出しについて解説する。キャッチコピーに次いで大きな活字の部分である。


キャッチコピーで興味を持った母親はじっくりとチラシの内容を読み始めるか。残念だがそうした行動に出ることはない。漠然と約20秒間眺めるだけである。やはりまだ細かい字を読もうとは思わない。当然、次に目に飛び込んでくるリード文、あるいは小見出しが重要になる。ところが、ほとんどの塾がここの作り方を間違っている。


例えば、こんなリード文(キャッチフレーズ)を使っていないだろうか。


未来に羽ばたく君を応援します 1人ひとりを大切にします 他塾には真似の出来ない指導法 とことん面倒見ます 当塾は君の夢を実現する場所です わかるまで教えます

等々


こうした美辞麗句が並んでいるのを見た母親は何と思うか。皆さんも母親・父親の立場になって考えてみるとよい。


「また上手いこと言って。格好いい言葉並べて。中身はどうなの。」 「とことん面倒見ますって、朝まででも面倒見てくれるの?」 「わかるまでお教えしますということは、ここの塾生は全員100点取っているの?」

これが読み手の正直な感想である。


抽象的なセリフ・文言は反感を買う。そして人間は具体的な記述を見て、初めて抽象的なイメージを持つ。それが真実。


「とことん面倒見ます」ではだめなのだ。

「当塾では、テスト前無料講座を年間145時間実施しました(平成14年度実績)」


「他塾には真似のできない指導法」も

「当塾では教材作成システムを取り入れ、データベースには10万題の問題が入っています。そしてあなたのお子さんが1問間違えるたびに、その類題を16問ずつ出すことができます」


このように具体的に出さないと伝わらない。具体的に記述して初めて母親は抽象的に「あら、ここ面倒見のいい塾ね」とイメージする。けっして「あら、ここは無料補習を年間145時間やってくれる塾ね」とは言わない。美辞麗句は確実に反感を買う。その瞬間に母親は細かいところまで読もうと思わずにチラシを手放す。とことん面倒見るのであれば、どこまでとことんやっているのかを具体的に表記することだ。「夜の11時30分まで居残り学習に付き合います」と。


小見出しも

  1. 指導法について

  2. 使用教材について

  3. 当塾の特長について

と並べてしまう。


そして、小さな文字で説明が続くというパターンが多い。これでは読んでもらえない。小見出しには内容を短くまとめた具体的言葉を使用する。


(例)

  1. 英語は予習中心、数学は復習中心の指導

  2. 教科書準拠のレベル別ワークを使用

  3. 毎回授業カルテを発行して個別に学習内容を提示


具体的なことに関連して必ず必要なのが定員である。人は希少価値があると認めると購買意欲が増す。あと1つしかない、あと2つしかないとなって初めて意欲が増加される。テレビ通販は限定30個の商品を毎日売っている。どこのホテルもホームページで空室状況を表示している。ところが、この定員を明示しない塾が非常に多い。いつでも入れると思う塾には誰も入ろうと思わない。ラーメン屋は行列ができる店だから行きたくなる。人は人の集まるところに集まる。


定員を出している塾も、「8名前後」となっていたりすることがある。。本来、定員というのは最大枠のはずである。「前後」という言葉に助平心が見えてしまっている。そうした塾は9名でも10名でも、椅子を持ってきて座らせてやってしまうにちがいない、そうイメージされる。つまり、定員の意味を成さないばかりか反感を買う。8名なら8名。はっきりと具体的でなければだめだ。そして9人目はきっぱりと断るのだ。そうすることによって「あの塾は中3からは入れない。中2から、あるいは中1から入らなければ」という評判が広がる。それを「あそこの塾はいつでも入れる」という評判の塾には誰も行きたいとは思わない。定員数、理想を言えば残席数も明示することだ。それが20秒の間に目に入ってこないと反応は鈍くなる。その上でしっかりとした理論武装を提示する。それが説得力を持たせる。

(例)

定員8名講師が1人ひとりの表情にまで気を配り、かつ集団授業最大の特長である「熱気」を失わない人数。それが8名です。


 質より量の法則

ついでに進学実績についても触れておこう。進学実績において中小塾は大手塾には絶対かなわない。母集団数が違う。それでも載せようとした場合の間違いは、「こんなレベルの低い高校の進学実績は載せるといけないだろう」と考え、途中で「その他」とやってしまうことだ。具体的であれということは、前回お話した文字数の原則に通ずるのだが「質より量」が大切だということだ。


通販で時計とかネックレスを売っているのをご覧になったことがあるだろう。


「今この時計は1万円です。」 「えっ、1万円。両方で2万円ですか?」 「いえいえ。男女ペアで1万円です。」 「まあ!」

と言ったら、すかさずもう1組出てきて、「今回に限りこちらの革製ベルトのペアもお付けして1万円です」と、どんどん数が増えていく。


「だったら1個2,500円で売れよ」と言いたくなるが、あれはちゃんと計算している。1個2,500円で売るよりも、4個1万円で売ったほうが売上増になることが分かっている。通販会社は、ちゃんとデータを取ってそういう仕組みを作っている。人は質よりも量に強く反応する。誰もが小さなつづら箱より大きなつづら箱を選ぶ。


そうすると、進学実績も専門学校だろうが底辺校だろうが、ずらっと並べたほうが間違いなく反応は高くなる。


同様に塾の特長も1個や2個だから無視される。1個、2個よりも3個、4個、10個。多ければ多いほど良い。ほとんどの塾長は業界の内情をよく分かっているので、塾として当たり前のサービスを「こんなの特長でも何でもない」と考える。違う。それを表示したほうが反応は高くなる。


チラシの作成順を変えよう

なぜ反感を買うリード文、キャッチフレーズを書いてしまうのか。思うに、チラシを作成する手順が間違っているのだ。広告代理店に丸投げしているのは論外だが、あなたがチラシを作るとき、募集要項や授業料、写真を配置した後、隙間を埋めるためにリード文やキャッチフレーズを考えていないだろうか。だから無味乾燥な言葉の羅列になってしまうのだ。全く逆である。チラシは読み手の目に触れる順に作らなければならない。


  1. キャッチコピー

  2. リード文(キャッチフレーズ)

  3. 小見出し


この順番である。

それらが魅力的にできて初めて本文を作る。かつてのスーパーアイドル、ピンクレディーの楽曲を作るときは、プロジェクトチームが「曲名」を決めることを真っ先に、そして最も時間を使ったという。理屈はチラシも同じだ。


もう一度、あなたのチラシを見てほしい。読み手に反感を売って歩いていないだろうか。

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