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塾・新時代のマーケティング論(65) 来年の戦略構築は9月から手掛けよ!

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。  冒頭、株式会社私塾界代表取締役、山田氏の逝去を悼み、心からご冥福をお祈り申し上げます。  全く無名だった私が図々しくも送った「売り込み文章」を面白いとお認め下さり、「私塾界」本誌と、この「速報」への文章掲載を依頼していただきました。「3回シリーズで」という予定が、気付けば7年の歳月が過ぎました。縦断セミナーでは何年も基調講演の講師として全国行脚をご一緒させてもいただきました。酒と歌をこよなく愛し、どんな時でも回りへの配慮を欠かさない気配りの人でした。氏の遺志に報いるには、氏がその情熱を注いだ教育業界の更なる活性化と発展に、微力ながら貢献すること以外にはないと決意を新たにしています。合掌。  本誌が届く頃は夏期講習も終盤、後期開始を目前にした時期でしょうか。毎年、講習時に指摘していることですが、復習を1つ。  外部講習生を全力で正規塾生として獲得して下さい。理由は「評判」に関わるからです。口コミと評判は分けて考えます。口コミは何でもいいので塾のことを話題にしてもらうことです。それに対して評判は、文字通り評価に関する話題のことです。そして、おおよそ、口コミは現役生とその保護者が、評判は塾生ではなくなった生徒とその保護者が拡げてくれます。  良い評判は無事に志望校に合格し、円満に卒塾した家庭が拡げてくれるのに対し、悪い評判は何らかの理由で途中退塾した家庭によって拡げられます。実は、講習だけ受講して入塾しなかった家庭は、後者である可能性が高いのです。講習を受講したということは、大きな期待を持って「あなたの塾」に通っているわけです。それが、塾からのお誘いにもかかわらず後期生として入塾しなかったということは、期待外れだったことが想像されます。当然、良い評判を回りに伝えることはありません。  ややもすると、「まあ、○○円の売上にはなったのだから、入塾しなくてもいいか!」と考えがちですが、その家庭から大きな損失が生じているかもしれません。それも「あなた」の知らないところで…。  「終わり良ければ全て良し」です。今からでも出来る対策を講じて下さい。生徒への声掛け、保護者への電話訪問、学習カウンセリングの実施…挽回の余地は残っています。  さて、9月は来年度に向けた戦略構築を開始する塾が多いと思います。ところが、戦略というのは目に見えない掴みどころのない概念のため、実際に「戦略会議」を開いてもなかなか意見・アイディアが出ないのが常です。その原因の大半は、テーマが大きすぎることです。「来年度に向けた戦略について考えを述べよ」と投げ掛けても、答えは返ってきません。これは「世界平和を実現するためのアイディアを出せ」という発問に等しい。そう聞かれると、私ならば「お祈りします」程度のことしか答えられません。質問が抽象的だと答えも抽象的になってしまいます。  そこで、戦略を構築するに当たり、必要な要素を細分化します。  一般的な分け方としては、『商品』『顧客獲得』『営業』『顧客維持』『組織』『予算』『時間』ですが、これを塾バージョンにしてみます。商品を3つに分けて『授業、教材、教師』、顧客獲得と営業をまとめて『新規獲得(広告宣伝、紹介)』、顧客維持は『退塾防止』、あとは同じでいいでしょう。それぞれについて、『目的』『目標』『戦術』を考えます。その上で実行、検証、変化…いわゆるPDCAの流れに乗せます。  こうして細分化して考えることで、人は具体的なアイディアを創造することができ、実行可能なプランに落とし込むことが可能になります。ひとつ、例を挙げましょう。  要素:教師 ① 目的…教師は豊かな知識と優れた指導力を有していることはもちろん、生徒のモチベーションを引き上げるリーダーシップと子供たちに親しまれる人間性によって塾生獲得と維持に寄与するものである。 ② 目標…年2回のアンケートで、平均80パーセントの支持率を獲得する。結果、昨年対比120%の塾生数を達成する。 ③ 戦術…A豊かな知識と優れた指導力を磨くために、月に1回の教務研修を実施する。Bリーダーシップと人間性向上のため、外部講師による研修を2回、実施する。加えて、個別の研鑚に資するため、社員が参加するセミナー代、購入する書籍代等に補助金を設置する。 ④ 実行…教務研修の担当者を○○先生、外部研修の担当者を△△先生とし、実施計画書を作らせる 重要なことは、目的を明確に提示することです。それが不明だと、担当者も教師自身も何をやればいいのかが分からず、形式主義に陥ります。前回、企業経営者の仕事として「方向付け」を挙げましたが、目的を明確化するということが、正にそれに当たります。授業の目的、教師の目的、教材の目的…それらを明示し、かつ、社員全員に納得させることが経営者の成すべき仕事です。そもそも、授業の目的が「予習」なのか「復習」なのか、あるいは「定期試験対策」なのか「受験対策」なのかによって、授業形式も教材も…そして、必要な教師も違います。目的が明確でないと、人事採用基準も研修・育成方法もアバウトになってしまい、結果、効果が低くなります。 まずは、各要素の目的を明確にして下さい。それが明確になれば、設定すべき目標も、実施すべき戦術も具体的に考えることができ、明確になります。大きなテーマを前に頭を悩ませるよりも、細分化して考える方が、建設的な思考回路が圧倒的に働きます。  「ウチの社員は何も考えていない」と嘆く経営者は多いですが、ほとんどの場合は質問の仕方が間違っていると言っていいでしょう。会議では間違っても「何でもいいから、売上を上げる方法を考えろ」という発問をしませんように。そんな大きなテーマでは、経営者の「あなた」でも具体的方策は浮かばないはずです。理想的な発問は「(例)母親がリード文を読みたくなるキャッチコピーを3つ、次の会議までに考えて来て下さい」です。具体的な発問が具体的な答えを導きます。戦略構築の方法も同じです。  塾業界にとって、12月以降は超多忙期に突入します。忙しい日々の中で、じっくりと戦略を練る時間が取れるのは9月からの3ケ月くらいです。ここを逃すと、結局「昨年と同じ」という前例主義に陥ります。前例主義に陥った塾は魅力が薄れ、地域から支持されなくなっていくのは必然です。  仕事の内容を「重要度」と「緊急度」で分けると、「重要で緊急」「重要だが緊急ではない」「緊急だが重要ではない」「重要でも緊急でもない」の4つのカテゴリーが出来ます。「重要で緊急」を最優先することに異論はないと思いますが、問題は次です。多くの人が「緊急だが重要ではない」を優先順位の2番目にしてしまいます。私は「重要だが緊急ではない」を優先することをお勧めしています。それが、前例主義に陥らないための方法だからです。来年度の戦略構築は、正に「重要だが緊急ではない」分野に属します。「緊急ではないから」といって、12月まで放置することがありませんように。

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