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  • 執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座33 卒業生が自慢できる塾を作れ!

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。


塾はニーズで成り立っている

先月号の続きで「卒塾生のネットワーク作り」についてお話します。 以前、紹介は入塾したばかりの時期が最も得やすい。だから入塾書類に「紹介状」を用意しましょう…と書いたことを覚えていらっしゃいますでしょうか。「入塾直後が最も顧客ロイヤリティーが高い」というのがその理由です。逆説的に言うと、「卒塾直後が最も顧客ロイヤリティーが低い」ことになります。なぜか…。 世の中の商品は消費者のウォンツ(欲求)とニーズ(必要)によって存在しています。 例えば、映画やレストラン、テーマパークなどの娯楽は(一部の関係者を除いて)ウォンツによって成り立っています。我々は生活に必要がなくても美味しい料理を求めてレストランへ通います。また、そのレストランの雰囲気やそこで得られる満足感を欲しています。料亭で出されるビールが市価の3~5倍であることに文句を言う客はいません。 一方、ニーズによって成立する商品の代表は病院や弁護士でしょうか。この場合、特徴的なのは「消費者は基本的に商品を求めていない」ことです。誰もが「行かないで済むなら病院は行きたくない」と考えています。生涯、弁護士の世話にならないで済むならその方がよいと考えています。あなたも好んで歯医者に行くことはないでしょう。誰もが「必要」だから仕方なく歯医者へ行くのです。 では、塾は…?と考えた場合、後者のグループに属しているのは明らかです。生徒本人はもちろん、保護者も「塾に行かせないで済むなら行かせないほうがよい」と考えています。つまり、「消費者は塾を求めていない」のが現実です。では何を求めているのか。実は、彼らは子供の抱える学習問題についての解決策を求めています。例えば「学習不安」「進学」等、子供たちは様々な悩みを抱えていて、それを解決するための手段を探しているのです。上記の例えで言うと「歯が痛い」という問題を解決するために歯医者へ行くのと同じです。 すると、ニーズで成り立っているビジネスに共通した宿命?があることに気付きます。 「客」は問題が発生するまでそのビジネスに興味がなく、問題が解決した瞬間に興味を失う。これです。 あなたも覚えがあるはずです。歯医者に通っている間は心のどこかに重苦しい気分を抱えていたのが、最後の通院を終えた瞬間に晴れ晴れとして「歯医者」のことをすっかり忘れてしまうということが…。冒頭の命題「卒塾直後が最も顧客ロイヤリティーが低い」理由がここにあります。 以前「卒塾生がなかなか塾の評判を広げてくれない」と嘆く塾長の話をしたことがありますが、それは至極当然の現象なのです。彼らは問題解決(志望校合格)した瞬間に塾に対する興味を失っているのです。彼らは進学した学校への夢や希望(つまりウォンツ)でいっぱいで、過去のことを振り返り、話題にする心理状態にはないのです。だからこそ年に1回の手紙や同窓会が必要になってきます。 何度も繰り返して説明してきたことですが、塾側が卒塾生に対して興味を失っているのに、卒塾生にだけ塾に対する興味を持ち続けてもらおうというのは無茶な願いです。人は「客でなくなった後に受けるサービス」に対して感動するものです。1通の手紙、年1回の同窓会は「卒塾生のネットワーク作り」の第一歩です。ぜひ、取り組んでください。

子供が自慢できる塾作り

今回は別の視点からお話を続けます。ある塾長さんと食事に行ったときのことです。その塾長さんは若者に出会うと誰彼構わず質問をぶつけます。「学生時代、塾に行っていた?」ほとんどの若者が「行っていた」と答えます。問題は次の質問に対する答えです。「どこの塾に行っていた?」すると反応が見事に二つに分かれます。「○○塾です。」と誇らしげに答える若者と「いやあ、たいした塾ではないですから…。」と恥ずかしげに言葉を濁す若者と…。 「あなた」は卒塾生に塾の評判を広げてもらいたいと願っていますよね?ところが、出身塾を尋ねられた時に、塾名を恥ずかしがって言えないとしたら…塾の評判など広がるはずがありません。 塾生が自慢できる塾作り。それが大切になってきます。 さて、子供たちは塾のどんなことを自慢するのか。残念ながら、講師の指導技術や教材について子供たち(保護者)が自慢し合うことはまずありません。「あなた」が歯医者の技量や使っているドリルのことを話題にしないのと同じです。では、何を話題にするか。1つは塾長(講師)の人柄です。問題解決を望む「客」にとって、本来は「商品の性能」そのものが重要視されるべきものなのですが、皮肉なことにその高度さゆえ、購買決定の鍵は別のところに潜んでいることが多いのです。例えば、あなたは目の前の医者の力量を正確に把握しているでしょうか。歯医者の選択を近所の漠然とした人物評…「やさしい」「面倒見がよい」…に任せていないでしょうか。カリスマコンサルタントの神田昌典氏は「休日にわざわざ様子伺いの電話をくれた歯医者を10年近く名医だと信じていた」と著書の中で告白しています。つまり、商品そのものではなく商品を取り巻く周辺環境に人は左右されるのです。(誤解のない様に言っておきますが、だから「商品」の中身はどうでも良いということではありません。それでは必要条件を満たしているだけであり、充分条件にはなり得ないということです。)これもニーズで成り立つ「商品」の宿命です。この周辺環境の整備は全てのビジネスに共通の必須課題です。レストランでも、「今週の特選素材」と銘打って「生産者の苦労話」「素材の素性」等々の物語によって消費者の欲求(ウォンツ)を喚起する手法を採っていることはよく知られています。塾において「講師の物語」を伝えることは重要です。 今回、特に強調したいのは、「人は『形』で表現できて初めて自慢するという性質を持っている」ということです。実はこれが中小・個人塾が最も軽視している点でもあります。 例えば、あなたの塾のトイレにはどんなタオルが掛かっているでしょうか。多くの塾を訪問しますが、ほとんどの塾が布タオル、それも「○○商店」と印刷された粗品のタオルを使用しています。中には数日間交換された形跡のない黒ずんだタオルが掛かっていることも少なくありません。ところが、大手塾ではエアータオルか紙タオルが主流になっています。テレビコマーシャルを見てもわかるように、今の若い世代(家庭)では「清潔」「除菌」がキーワードになっています。他人が使った後の湿ったタオルで手を拭くことに抵抗感のある子供たちが増えているのです。もし、近隣他塾のほとんどが布タオルを使用している状況で、いち早くペーパータオルを導入したとしたら…子供たちは学校で自慢するのです。「あなたの塾はまだ布タオルを使っているの?私の塾はペーパータオルだよ。」 指導技術は目に見えないので自慢しにくく、トイレのペーパータオルは目に見える「形」なので自慢がしやすいわけです。 タオルに限らず、スリッパ、椅子、机…多くの塾経営者が塾の本質と離れているため(それは間違いないのですが)軽視している部分に子供たちは反応しているものです。 もう1つ例を挙げるとホームページ。これまで半径2km程度を商圏としている塾にとって、ホームページは必要ないと考える塾経営者が多数でした。しかし、ここ数年、家庭のネット環境は一変しています。(詳しくは次号で説明します。)もしかしたら、友達同士で次のような会話が行なわれているかもしれないのです。「あなたの塾はホームページも持っていないの…?」現在では「ホームページを持つメリット」よりも「ホームページを持たないデメリット」が大きくなっています。 あなたは何で塾生に塾の自慢をさせますか?「塾生が自慢できる塾作り」に早急に取り組んでください。鍵は目に見える「形」で提供することです。

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