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執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座34 ホームページを持たないデメリット

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。


ホームページを持たないデメリット

今回は先月号の続きでホームページについてお話します。 中小塾の経営者にとって、これまでホームページは必要ないものという意識が非常に高かったと思います。理由は「ホームページは全国(世界)を相手にするビジネスならば有効だが、半径2km程度を商圏としている塾にとっては必要ない」というところでしょうか。ところが、ここ数年、事情は一変しています。先月号でお話した「ホームページを持つメリット」よりも「ホームページを持たないデメリット」が大きくなっているのです。 現在、ネット環境(パソコン+携帯)の普及率は100%を越えています。ほとんどの家庭にパソコンがあり、情報をネットから入手することが当たり前になっています。例えば、ある企業を初めて訪問するときは事前に訪問先のホームページを調べ、予備知識を得ておくことはビジネスの常識です。その常識が「塾選び」にも押し寄せています。 これまで入塾に至るプロセスは①チラシ・DM→②電話による問い合わせ→③塾訪問(面談)→④体験学習→⑤入塾となっていました。これが現在では①と②の間に「ホームページを覗く」が加わっているのです。 朝、新聞折り込みに大量のチラシが入っています。母親は塾のチラシを集め、パソコンの前に座りホームページを調べ始めます。その時「ホームページがない」というだけで選択肢から外されているということが起こっているかもしれないのです。この様子は塾の側には見えません。「あなたが気付かない間に自塾が選択肢からはずされている。」そんなことが頻繁に起こっているのです。特にご両親共働きが増えた現在では、夜にチラシを見る家庭が多くなっています。ますます電話を掛けて問い合わせる時間がなく、ホームページを覗くことが通常の行動パターンになってきます。今、ホームページは中小塾にとっても必須のアイテムになろうとしています。

滞留時間と顧客ロイヤリティー

ホームページを作成する場合、現在では作成ソフトによって誰にでも簡単に作れるようになっています。しかし、実際にホームページを見てみると「プロ」と「素人」の差は歴然です。せっかくホームページを作成してもチラシの内容とほとんど変わらないのでは意味がありません。チラシを見てホームページを訪問した「見込み客」に「チラシと変わらない内容を見せること」ほどがっかりさせるものはないのです。また、手抜きのホームページを見た人は「この塾は授業も手抜きしている」と思ってしまいます。では、どんなホームページを作ればよいのでしょうか。 デパートやスーパーでは「客の滞留時間」を意識した店内レイアウトを考えます。客の滞留時間と売上が比例することを知っているからです。そこで主力商品は店の奥に置きますし、「物産展」はデパートの最上階で行なうのが通例です。中には店内を迷路のように作り(消防法の問題はありますが)売上を伸ばしている小売店もあります。この「客の滞留時間と売上の関係」はホームページにもそのまま当てはまります。せっかく訪問してきた客をすぐに外に追いやるホームページではダメです。ホームページ内の滞留時間が長ければ長いほど「その店(塾)に対する顧客ロイヤリティーが高くなる」という原則があるのです。いかに長く留まってもらえるかを考えたホームページ作りを考えてください。 その時効果的なのが「ブログ」の活用です。ご存知のように、ブログは書き換え(書き足し)が簡易で日記風のコメントを気軽に発信できます。塾長がブログを書き始めると、見込み客だけではなく塾生やその保護者が喜んで訪問してくれます。そのことによってコミュニケーションの向上に役立つという一石二鳥の効果があります。ホームページ上に「塾長日誌」としてブログとリンクさせることで、滞留時間も確保できます。なにより「デジタルツール」のホームページに「アナログ的魅力」を付加することが可能です。 ホームページ、ブログを最近活用し始めた塾の声です。 ・(前略)ランクが上がることの意味ですが、多くの方が当塾のブログを訪れてくださるようになりました。例えば、「都立高校の倍率を見て」というタイトルのブログは約三〇〇人の方が閲覧してくださいました。今なお、閲覧者は増えています。こうした方々が、ブログからリンクする自塾のHPを訪れて下されば、塾の理念などは見事に伝わっていくと思います。実は、今年度の冬期講習が始まる頃から今日までに、体験者が二五名を超えました。その間、チラシナシです。そのほとんどは塾生のご紹介によるものですが、ブログやHPをご覧になっている方は実に多く、そのうち1名は遠方ということで入塾にいたりませんでしたが、残りは入塾、または現在も体験中です。 ・当塾でも「インターネットで見て」と、今年すでに何件か体験申し込みが来ています。家庭へのインターネットの普及は侮れません。HPを作るのは難しくとも、ブログは思っている以上に簡単に作成できますよ。 ・ブログ順位が上がれば確実にアクセス数がアップします。また、既存の家庭が注目してくれます。家庭の電話対応がよくなりました。「塾は地域性重視」だからHPやブログは関係ないでは今後済まされないでしょう。一年後の今頃の収益にも影響してくるはずです。 ・私の塾では、今年は入塾案内ではなく、ホームページに詳しい案内を載せて、チラシで「詳しくはこちらへ・・・」とやっています。森先生にホームページの重要性を教えていただき、すぐにリニューアルしました。コレまでに作ってあった入塾案内や、ニュースレターの文章を使いましたので、1週間ぐらいで完成しました。まだ2ヶ月足らずですが、とても反応はいいです。今年はコレとブログでいこうと思っています。 塾業界、特に中小塾はネット環境整備が最も遅れている業界です。未だにメール環境すら整っていない塾がたくさんあります。これでは21世紀を生き抜くことは難しい。私は「デジタルを生かすアナログ戦略」というテーマでセミナーを実施することがありますが、デジタル(形式知)とアナログ(暗黙知)は相互補完の関係にあります。どちらが重要というわけではありません。どちらも重要なのです。(塾にとって教務とマーケティングのどちらも重要なことと同じです。)ホームページとブログ、まだ取り組んでいない方は、ぜひ、今年の重要課題にして下さい。

塾選びに父権が復活している

さて、ネット環境の拡大と無縁ではないと思われる現象が全国各地で起こっています。「父権の復活」です。これまで塾を選択する決定権は一〇〇%母親が持っていると言われてきました。ところが最近、父親の影?が濃くなってきています。塾の説明会に父親の参加が増えてきたという報告が各地から寄せられています。理由の1つは前述したネット社会の成熟でしょう。一般的に母親よりも父親の方がネット操作に慣れています。 「夜、父親が帰ってくる。母親が塾のチラシを数枚持ってきて相談を持ちかける。父親が手馴れた手つきでキーボードを叩き、ホームページを見る。『この塾いいんじゃないか』と父親が言う…。」そんな風景が想像されます。塾の決定に父親が関わる家庭が増えてきたのです。すると、当然、その後の塾運営に関心を持つ父親が増えていくのは自然の流れです。 また、政治の世界でも小泉首相や石原都知事など「強いイメージ」の政治家が高い支持を受けています。どうやら一時期の「癒(いや)し」を求める時代から「強さ」を求める時代へと変わってきているのかもしれません。「ゆとり教育」の見直しが関係者内外から叫ばれているのもそうした時代の動きと無関係とは思えません。 塾に求められる役割も自然と変化をしてきます。あなたの塾はどこへ変化していくのか。その決断が塾経営者に課せられた最も大切な「仕事」なのです。

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