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  • 執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座35 塾・新時代の成長カーブ構築法・前編

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。


私塾情報センター主催「全国縦断学習塾経営セミナー」の基調講演で「塾・新時代の成長カーブ構築法」というテーマでお話をしました。今、この原稿を書いている時点では、私塾情報センター主催「全国縦断学習塾経営セミナー」の東京開催が終了したところですが、その講演内容について紙上で読者の皆さんとシェアしたいと思います。

なぜ、新しい成長カーブが必要か

どんな業種、商品にも成長カーブがあるとされています。俗に「S字カーブ」と呼ばれ、「導入期」「発展期」「成熟期」「衰退期」と分けられます。 例えば携帯電話が1台5万円で売られていたころが「導入期」。無料で配られ始め、一気に所有者が増加したの時期が「発展期」。市場が飽和状態になり、機種の進化が勝負を決める状態になった「今」が成熟期。そして、携帯電話に変わる次世代機器が開発されると「衰退期」が始まります。かつてのレコードがカセットテープ→CD→iPodと変遷していく様子を見ていると、商品の寿命サイクルがどんどん短くなっているのが分かります。 同様に企業の寿命も短くなっています。かつての企業平均寿命は40年と言われていました。ところが現在では10年弱にまでなってしまった。それくらい時代の変化が速くなっているのです。バブル崩壊以降「ドッグイヤー」という言葉が使われ始め、「時代の流れは、バブル前の5~6倍の速さ」と言われたものですが、現在では「マウスイヤー」という言葉まで登場し、17~18倍の速さとも喧伝されています。どんなに「当たった」商品も、そこに安住していてはすぐに衰退期を迎えてしまうのです。 そこで塾業界を俯瞰(ふかん)してみると、成長期が終わっていることは誰の目にも明らかです。今、次の成長カーブを創造しないと、早晩衰退期がやってきます。それは業界全体の問題であり、個々の塾の問題でもあるのです。今後、少子化が長期に渡って続くこと、格差社会が広がっていくことを考えると、安閑と構えてはいられません。

成長カーブを作るビジネスの基本原則

では、次の成長カーブを作るためには何が必要か。基本的な原則をまず押さえてください。 ビジネスは単純化したモデルで説明すると、どの分野に投資(投機ではない)をしてリターンを求めるかということに尽きます。当然、高い付加価値を生み出す分野に投資することが大切です。ところが、多くの中小・個人塾は、この投資ができていません。言葉を変えて言うと、経費には大きく分けて固定費と流動費がありますが、この流動費に掛ける額が極端に少ないのです。ほとんどが固定費で占められている。これでは単純再生産が精一杯で、自転車操業から抜け出せません。なぜなら「固定費(形式知)に掛けた投資のリターンは多くても2倍まで」という原則があるからです。それでも確実に1倍以上になって返って来るのでしたら良いのですが、0.何倍になってしまうことも珍しくありません。 あなたも覚えがあるはずです。業者の説明を真に受けて、「これを導入すれば塾生倍増間違いなし」と思って数百万円掛けて入手した機器が全く効果を発揮しなかったことが。(私は何度痛い目に遭ったことか…) そう、元々「誰でもお金を出しさえすれば入手できるもの」は所詮(しょせん)、形式知に過ぎないのです。 固定費・形式知だけに投資している間は新しい成長カーブなど作れるはずがありません。新しい成長カーブの種は流動費・暗黙知の中にあります。投資額の10倍、20倍…時には100倍になって返ってくる分野に資金を投入することが必要になってきます。(ただし、だからと言って「形式知に投資しなくても良い」というわけではありません。どちらも必要な車の両輪です。)

新しい成長カーブの鍵は「情報」と「人材」

では、そんな「夢」のような分野はどこか? 代表的なことで言えば「人」と「情報」です。この2つの分野は投資額の10倍以上のリターンが期待できます。例えば、実践会の会員さんの中には「実践会」から得られた情報を駆使して売上を急激に伸ばしている方が多くいます。一人当たりの年間平均売上30万円の塾が生徒を10人増やしたとしましょう。売り上げ増は年間300万円です。それに対して、情報を入手するために投資した額は年間10万多くても20万円程度のはずです。15倍~20倍のリターンです。実際には誇張でなく100倍を越えている方もいます。 日本人は元々、情報に価値を認めない傾向が強いのですが、だから情報戦に敗れ、負けてしまうのです。(余談ですが、この情報に価値を置かない国民性が日本を「スパイ天国」と言われる情報だだ漏れの国にしている原因です。) 少なくとも「あなた」は情報の価値を認め、身銭を切って(投資をして)この月刊「私塾界」を購読している「情報に価値を認める人」です。だからこそ強調したい。もっと情報収集に力を入れてください。自ら求めなければ情報は集まりません。「求めよ!されば与えられん!」です。 どんなところにもヒントは転がっています。ところが自ら求める姿勢がないとアンテナが立たないので気付かないのです。「チャンスの神様は前髪しかない」という所以(ゆえん)です。 先日、私は昨年の縦断セミナーでご一緒した建築設計会社エコスの四十万(しじま)氏に誘われて、マンション販売のためのセミナーに行ってきました。安城市駅前に建設している大型マンションタウンの一部に四十万氏が提唱する「頭の良くなる空間作り」のコンセプトが導入されたので、子供を持つファミリー向けの販売促進型セミナーを開くというものでした。塾経営とは全く別分野のセミナーです。 ところがセミナーを聴いて「目からウロコ」。これはマンションだけでなく、塾・教室作りにも充分応用ができる。その上、「おまけ」まで付いてきました。 セミナーの中で、四十万氏が1つのエピソードを紹介してくれたのです。要約すると次のような話です。 武蔵高校の文化祭に行ったとき、ある高校3年生が自作の論文を配っていた。親の都合で18年間に16回も引っ越しした体験を綴った文章だった。転校、転校で嫌な思いをし、親を恨んだこともあったが、今ではその経験が今の自分を創ってくれている…そんな内容の文章の後書きに、(そこだけお世辞にも上手とは言えない直筆で)「お父さん、お母さん、ありがとう」と書いてあった…。 3人の子供を持つ私は、このエピソードに感動しました。と、同時に「これは塾でも使える」。そう思ったのです。中学(高校)を卒業する塾生から両親に対して感謝の気持ちを伝える「手紙」でも「作品」でも「歌」でもいい…そんな企画を塾が主導して行なってはどうだろう…きっとご両親も感動するに違いない。 すぐに翌日の東京セミナーでこの話を披露しました。「小さな成功は同業種から、大きな成功は異業種から」という言葉があります。そう、ヒントはどこにでも転がっている。しかし、情報の力を軽視して自ら取りに行かないとアンテナが立たないので情報は得られない。どうか「情報」に投資してください。 実は、情報が重要な理由はもう1つあります。情報の必要性の本質です。これについては次号で詳しく説明します。(続く)

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