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  • 執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座36 塾・新時代の成長カーブ構築法・後編

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。


私塾情報センター主催「全国縦断学習塾経営セミナー」の基調講演で「塾・新時代の成長カーブ構築法」というテーマでお話をしました。先月号に引き続き、その講演内容の後半をお届けします。中小塾経営者にとっては耳の痛い?話が続きますが、「良薬は口に苦し」です。片方の耳を傷めながらお読み下さい。

判断と決断を区別すること

新しい成長カーブを作るには既存のアイディアや方法を踏襲しているだけではダメです。誰もが思いつかなかった新たな発想が必要です。誤解を恐れずに言えば、重要なのはある種の「思い付き」です。そして、それは周りから反対される代物(しろもの)の方が結果として上手くいきます。なぜか。 人は何かを判断するときは自らの経験や知識に照らし合わせます。「それはいい、きっと上手くいくよ」と人が言う時は、既に類似の成功例を知っているからです。でも、類似の先行例が既に存在するアイディア・企画が大きな成功を呼ぶはずがありません。結局は二番煎じです。ところが、「前例の無いアイディア」を聞かされたとき、人は判断ができませんから慎重になります。「それは危ないんじゃないか。辞めた方がいいよ。」と、無難な意見を述べることになります。自分が勧めて失敗したときが怖いからです。言ってみれば当然の真理です。そうした時に決断を下せるのは他でもない、経営者たる「あなた」自身です。 ここで『判断』と『決断』の違いを明確にして下さい。答えが存在するものについて下すのが判断で、答えを自分で作る必要があるときに下すのが決断です。判断は慎重になっても何ら構いませんが、決断を引き伸ばしにすると時期を逸してしまいます。また、判断は人(専門家)に任せてもいいですが、(例えば税理士に「これは経費で落ちますか」と尋ねるような場合です。)決断は人に委ねるものではありません。あなたが下し、答えを作っていくしかないのです。 そう、新しい成長カーブを作るには「新しい思い付き」が必要なのです。では、その新しい思い付きはどうすれば得られるか。 実は発想力や創造力は先天的なものではなく、後天的なものだということが分かっています。多くの情報が脳(この場合、右脳)の中で熟成され化学反応を起こし、突然変異体として生まれるのが「思い付き」です。つまり、情報量の多い人ほど「思い付き」が多く訪れるのです。多くの「思い付き」を得るためには多くの情報が必要なのです。これが情報に投資するもう1つの理由です。

最も投資しなければいけない人材は「経営者」

リターンの大きな投資先のもう一つが「人材」です。ただし、注意したいのは「給与」はあくまでも固定費であり、ここで言う投資ではありません。人材に掛ける投資とは「採用」と「教育」です。大手は採用に対して100万円単位の投資をしています。また、入社後3年間は教育期間と考えていますので、1千万円規模で投資していることになります。 我々中小塾が大手並みに投資できないのは重々承知していますが、例えば採用したバイト講師に何の教育も施さずに現場に立たせるということがないでしょうか。定期的な研修制度をちゃんと設けていますでしょうか。一度、本気で考えてください。私は「人が人を変えることは出来ない」と考えています。しかし、自らが変わろうと決意すれば一瞬で変われると信じています。例えば、あなたが「禁酒」「禁煙」を実行したときのことを思い出してください。ここで言う「教育」とは、社員が「変わるきっかけ」を如何に多く提供できるかということです。(もちろん、基本的な指導方法や社会人としてのマナー等のスキルを習得させることは当然のこととしての話です。) 中小塾の経営者は「ウチみたいな小さなところに良い人材が来るはずがない。」と言いますが、求めてもいないのに来るはずがないのは当たり前です。ここでもやはり「求めよ!されば与えられん!」です。ほとんどの中小塾が「1枠2~3万円」の求人誌に掲載するだけでお茶を濁しています。それでは優秀な若い人材は得られません。ここでも充分な投資が必要であり、実際に中途採用から新卒採用に変更することで成長軌道に乗った塾が多くあります。 そして、これは100回強調しても言い過ぎではないのですが、最も投資しなければいけない人材とは経営者たる「あなた自身」です。個人塾の経営者は「教える技術では大手の若い先生には負けない。」と自慢しますが、本当ですか?そんな先生に限って10年前と変わらぬ指導法で教えていたりする。予習もせずに授業に臨み、去年と同じ箇所で同じジョークを言ったりする。これでは教務力の向上はあり得ません。 また、経営者としての力量(経営力)を向上するための勉強も欠かせないものです。言うまでもないことですが、学問を指導するスキルと経営のスキルは全くの別物です。どちらが大切ではなくて、どちらも大切。車の両輪です。少なくとも収入の5パーセントを自己教育に投資することです。経営者たる「あなた」も「あなた自身が変わるきっかけ」を求め続ける必要があるのです。「成長」とは「変化」そのものに他なりません。

「虎の威を借るキツネ作戦」のススメ

「変化」を求めると、中小塾の経営者は「すべてを自分でやらないと気が済まない」傾向が強くなります。例えば次のような相談が寄せられました。 「ビジネス・コーチング」の研修を1年間受けたのですが、そのスキルをどうしても自塾に落とし込めないのです。」 「今度、授業を欠席した生徒のために、自分が出演するDVDを作ろうと思うのですが。」 正直言って、どちらもお勧めはしません。そこに投資しただけのリターンが期待できないからです。何でも自分でやろうとすると、莫大な資金と労力と時間が必要になります。それよりも、例えばコーチングならば、今回の縦断セミナーで紹介されている㈳日青協の「教育コーチング」を取り入れたほうが簡単です。映像授業も、選ぶのに困るくらい多くの既製品が世に出ています。そうした企業は、あなたに代わって莫大な資金と労力と時間を費やして製品開発をしてくれています。それを上手に利用する方がはるかに費用対効果は高いでしょう。情報収集も、本誌に載っている情報を1塾で収集しようとすれば月々数百万単位の投資が必要なはずです。すでにあるインフラを利用しない手はない。なぜなら、そうした分野のほとんどは、先月号で説明した形式知だからです。先月号でお話したように、形式知を軽視しても良いわけではありません。しかし、リターンが多くても2倍しか期待できない分野は「虎の威を借るキツネ作戦」で上手に既製品を利用し、「あなた」だけしか持っていない暗黙知により多くの投資をすべきなのです。 以前、前職が中学の英語教師という塾経営者とお話ししたことがあります。私が「先生には『英語』という素晴らしい暗黙知があるのですから、それを生かして、例えばネイチャースピーカーを招いて英会話を強化し、『英語なら○○塾』という評判を作ればどうでしょう。」と提案すると、「いえ、外国人とペラペラしゃべれるほどの英語力ではないのですよ」と尻込みしてしまいます。だからダメなのです。せっかくの暗黙知も常にスキルアップ(ブラッシュアップ)をしなければ、すぐに威力を失ってしまいます。自分の英語力(暗黙知)を高めるために、もっと自分に投資しなければならないのです。 さあ、新しい成長カーブを作るために「人材」と「情報」に投資しましょう。10倍以上のリターンがあるのですから1勝9敗でも充分です。柳井氏の著書「1勝9敗」の本当の意味はそこにあります。

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