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  • 執筆者の写真森智勝

中小塾のためのマーケティング講座39 コミュニケーション能力を磨け①

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。


「感情の論理」とコミュニケーション

先月号で「感情の論理」の大切さを説明しました。顧客(塾生・保護者)の感情に配慮したアプローチが必要だと言うことです。その中心になるのがコミュニケーション戦略です。ITが進化し、デジタル社会が進めば進むほど、対極にあるアナログの重要度が増加します。人は「より良い」「より安い」だけでは購買行動に移さなくなっているのです。 コミュニケーションの意味を辞書で調べると、次のように説明されています。

1 社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる。『―を持つ』『―の欠如』 2 動物同士の間で行われる、身振りや音声などによる情報伝達。」 (大辞泉より)

以前、私はビジネス用語としてはこれだけでは不充分で、「自分の意志を伝え、自らの想定するように相手に行動してもらうこと」をコミュニケーションの意味だと考えるように述べました。つまり、例えば冬期講習の案内を出すということは、冬期講習の内容が伝わるだけでは不充分で、それを読んだ人(生徒・保護者)が受講という行動に移してもらって初めてコミュニケーションが完結するということです。あなたは全ての塾生に冬期講習を受講してほしいと願っているはずです。また、受講した人には後悔させないだけの講習を準備しているはずです。そうであるならば、それを読んだ人が受講したくなるように筆記を工夫することが大切になってきます。 ところが、多くの塾が何の工夫もない案内、それもA4版のプリント1枚で済まし、受講率が低いことを「この地域の人は教育に対する意識が低い」とか「まだまだ不況の影響が残っている」と、他に理由を求めているのです。(具体的なコピーライティングの方法は次回詳しく説明します。) では、相手に行動に移してもらえるコミュニケーションの方法とは何でしょうか。コツは「相手の話したいことを話してもらい、相手が知りたがっていること、言って欲しいと思っていることを伝えること」です。 どの塾でも3者面談を定期的に行なっていると思いますが、その時の内容を思い出してください。ややもすると塾側が一方的に話をしているということはないでしょうか。それも、「数学が弱い」「家庭学習が足りない」「もっと頑張らないと志望校には合格しない」等、相手が最も聞きたくない内容で。よく言われることですが、人は「口は1つ。耳は2つ」所有しています。(だから話すことの2倍、人の話を聞きましょう…ということです。)まず、相手の言いたいことをじっくりと聞き、その上で「相手の知りたいこと」をお伝えするという順番を心掛けることが、上手くコミュニケーションを図るコツです。 また、褒めるときは相対化させずに絶対化して伝えることです。例えば、前回のテストが50点だった生徒が60点になったとします。多くの講師が「60点になったこと」を褒めてしまいます。言われた生徒はどう思うでしょう。「60点を褒められるということは70点を取ったA君はもっとすばらしい。自分はA君より劣っている」という思考回路が働いてしまいます。これが相対化して褒めたときの欠点です。こうした場合、「君が10点も点数を上げる努力をしてくれて私は嬉しい」と伝えることです。人は誰でも「自分の行為によって誰かが喜んでくれること」に幸福感を感じます。子供だって同じです。「私は嬉しい」は絶対的感情ですから、素直に受け取ることができます。 叱るときの方法も大切です。叱ることが人格否定になっていませんでしょうか。 IS行動科学マネジメントの石田氏は著書の中で面白い例え話をしています。

「飛行機を操縦してください。」 いきなりこんなことを言われたらあなたはどうしますか。軽飛行機のオーナーが言います。 「あなたは空を飛びたいと言っていたではありませんか。私の飛行機をお貸ししますから、自由に操縦してください。」 「実は操縦できないんです。」 「まさか、飛行機なんて簡単に動かせます。常識で考えれば大丈夫です。」 「本当にできないんです。」 「なるほど、やる気がないのですね。あなたはダメな人だ…」

成績を上げたくない生徒など一人もいません。しかし、彼らは勉強の仕方が分からないのです。その彼らに向かって「とにかく勉強しろ!やる気があれば何でもできるだろ!」と言うのは「飛行機を操縦しろ!」と言うのと同じです。挙句の果て「この子はやる気がない」というレッテルを貼ってしまいます。いわゆる人格否定になってしまうのです。これでは子供たちは勉強するようにはなりません。それどころか、ますます勉強を遠ざけるようになるでしょう。あなたは成績を上げるためには一定量の学習時間が必要なことを知っています。そして、塾生にはその勉強量をこなしてほしいと望んでいます。コミュニケーションの定義が「あなたの想定するように相手(塾生)に行動してもらうこと」ならば、人格否定の叱り方は全く無意味です。 この場合、操縦の仕方(勉強の仕方)を細かく教え、その行動プロセスにフォーカスしたアドバイス(叱り方)を実践しなければなりません。ひとつひとつの行動に焦点を当てる方法ならば、けっして人格否定にはなりません。

塾に求められるホスピタリティ

現在、塾の現場でもコーチングやマネジメントの重要性が言われていますが、突き詰めるとコミュニケーションの問題です。そして、最近、コミュニケーションと関連して重要性が叫ばれているものがあります。「ホスピタリティ」です。 ホスピタリティとは簡単に言ってしまえば「居心地の良さ」です。これは全ての業種に言えることですが、客の滞留時間が長ければ長いほど店の売り上げはUPします。そのために店舗は様々な工夫をしています。 俗な例で言えば、クラブでトイレに行くと必ず、接客担当女性(何と表現すればよいのでしょうか)が出口で「おしぼり」を持って待っていますよね。あれはトイレの鏡を見て日常に戻った客は、それをきっかけとして退店しやすいことを知っているからです。あの「おしぼり」ひとつで滞留時間が長くなり、売り上げもUPしているのです。 塾も同じです。好調の塾は塾生が早くから通塾し、なかなか帰りたがらないものです。また、そうした塾生たちのために「居心地の良い空間」を提供しています。「自習室」「ラウンジ」「談話室」…そうした工夫が塾生の滞留時間を延ばし、結果として塾生増、売上げ増につながっています。 以前から主張しているように「良い授業をしていれば自然と口コミ・評判が広がって、生徒が集まってくる時代」は終わりました。子供は塾に「暖かい居場所」を求めています。少子化が進む中、家の勉強部屋は「一人ぼっちの寂しい空間」と化しています。教育空間研究所の四十万(しじま)氏によると、名門私立中学合格者の多くが勉強部屋を使わず、リビングやキッチンで勉強しているそうです。そうした現代の子供たちが無意識のうちに求めている「あたたかさ」や「ふれあい」、つまりホスピタリティを塾が提供することは、これからの塾が成功するための重要な要素になってくることでしょう。 すると、内装・備品ひとつをとっても工夫すべき点は見つかります。壁の色、床の色はこれでいいか。照明の色調はどうか。掲示板の内容は塾生が興味を持って読んでもらえるものになっているか。情報誌、入試資料は揃っているか…。 また、言うまでもないことですが、整理整頓、掃除は行き届いていますでしょうか。ほこりっぽい、ゴミゴミした空間は、それだけで居心地が悪いものです。「古い」は許されますが「汚い」はNGです。「良い授業」に集中するあまり、塾生たちに倉庫のような?教室で勉強させていませんように。

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