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  • 執筆者の写真森智勝

中小・個人塾のマーケティング論[5]感動の法則

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。


マーケティングとは「商品の良さを早く正確に伝える技術のこと」です。では、なぜ商品の良さを早く正確に伝えなければならないのでしょう。言うまでもなく商品を買ってもらうためです。消費者に購買という行動に移してもらうためには、1つの原理・原則があります。それは「感動してもらうこと」です。


あるレストランが来店客にアンケートをとりました。すると、90%以上の人が「満足」と答えました。その結果に安心していたのですが、その後の客足が伸びません。不思議に思った1年後、追跡調査をしました。すると、満足と答えた人の8割が、二度とその店を利用していなかったのです。


ビジネスにおける感動の定義は、「期待値を超えた部分」です。商品には全て価格が存在します。例えば缶コーヒーを買う時、誰もが130円を支払います。購入者は130円分の期待値を有します。その缶コーヒーを飲んで130円分の価値を認めた時、人は「満足」と表現します。そこに届かないのは全て「不満」です。では、満足を感じた人は次も同じ缶コーヒーを購入するでしょうか。そんなことはありません。なぜなら、130円の対価を払っているのだから、130円分の満足を得るのは当然だと考えているからです。缶コーヒーを飲んで「このコーヒー、メチャクチャ旨い!」と思った人だけが、次もその缶コーヒーを買う、いわゆるリピーターになります。


前述のレストランも、例えば1万円のコース料理を提供した場合、客に1万円分の満足しか与えていなかったのです。当然アンケートでは「満足」と答えますが、それでリピーターになることはありません。


期待値=価格以上の、いわゆる感動を得た人は次の行動に移します。自分の得た感動を誰かに伝えずにはいられなくなります。


「ねえ、あのレストラン、行ったことがある? 雰囲気が良くて美味しいよ。今度、一緒に行きましょう」

「えっ、あの映画、まだ見ていないの? あれは見ておくべきだよ」


人は、感動してはじめて行動に移す性質を持っています。これを「感動の法則」と言います。口コミや評判が作られる仕組みはココにあります。


同じことは塾というビジネスの場にも言えます。あなたは「一所懸命に指導している」と、思っているかもしれません。「精一杯、解りやすい指導をしている」と、自信を持っているかもしれません。しかし保護者からすれば、「そんなの当たり前じゃない。だって、高い授業料を支払っているのだから」と、考えているのかもしれないのです。この状態では、生徒や保護者が口コミや評判を拡げることもなく、生徒が増えることもありません。


生徒や保護者の期待値を上回る「何か」を提供することです。もちろん、「えっ、こんなに成績が上がった」「説明が凄く解りやすい」という感動が最良なのでしょうが、それだけではありません。「とても親身に接してくれる」「面倒見が本当にいい」、あるいは「話が上手で面白い」や「塾の先生、いつも元気でパワフル」でもいいのです。とにかく相手(生徒&保護者)の期待値をどう上回るかが重要です。そして、それは言葉だけのスローガンでは通用しません。エビデンスとしての具体的な行動が必要です。


ある塾長は、毎月30ページのニュースレターを発行しています。生徒や保護者は「塾長先生、寝てます?」と心配するくらいです。保護者は「あそこの塾長は毎月30ページのニュースレターを書いているよ」とは言いません。「あの塾の先生、熱心だよ」と口コミします。


これも1つの法則なのですが、人は「具体的な事象に触れてはじめて、抽象的なイメージを持つ性質」を持っています。そして「抽象的な文言に触れた人」は…猜疑心を抱きます。例えば「解るまで指導します」「トコトン教えます」というキャッチコピーを見た保護者は、「本当かしら。解らなければ、夜中でも朝まででも指導してくれるのかしら。まさかね」と思います。


少なくとも、あなたが「塾の指導者のレベル」で止まっていたなら、相手に感動を与えることはできませんし、相手が次の行動に移すこともありません。学習意欲の低い子どもを勉強に向かわせる最大の方法は、「先生がここまでやってくれる。その行為(期待)に応えよう」と思わせることです。ここでも感動の法則は生きています。


マーケティングは1つのスキル(技術)ですが、本気で取り組むことが重要です。その本気が伝われば、相手を感動させることが可能です。小手先の手練手管で何とかなると思っていると、それは確実に見透かされます。あなたの本気を「形」にすること-それが感動を創り出す源泉です。

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