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中小塾のためのマーケティング講座37 外部講習生を後期生として獲得せよ!

執筆者の写真: 森智勝
森智勝
2024年7月8日
読了時間: 6分

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。


講習生を逃がす危険性

あなたがこの紙面をお読みの頃は夏期講習の真っ最中のことでしょう。塾にとって夏期講習は春期募集に続く塾生獲得の大きなイベントです。すべての塾経営者が外部受講生を9月からの後期生として正式入塾につなげたいと考えているはずです。また、そうでなければ実はマイナスの評判を広げることになってしまいます。 塾の評判は誰が広げるか。プラスの評判は成績が向上し、無事に志望校合格を果たした卒塾生が広げてくれます。(ただし、塾が意図的にアプローチを掛けないと期待するほど評判を広げてはもらえません。)それに対して、マイナスの評判は退塾生が広げます。途中退塾した生徒(保護者)は、その退塾理由に関わらず、けっして良い評判は広げません。友達、知り合いから退塾理由を尋ねられれば、やはり塾の不手際を列挙するものです。(ですから、退塾者に対するフォローは重要になってきます。) 夏期講習の外部受講生が後期生として継続しなかったとしたら…退塾生と同じ行動をとることになります。 その生徒が他塾生だったとします。他塾の生徒が「あなたの塾の講習」を受講する場合、現在通っている塾に何がしかの不満を持っているはずです。そのため、わざわざ「あなたの塾」の夏期講習を受講しに来ているのに講習終了後、元の塾に戻ってしまったとしたら…。それを見た周りの人は「あなたの塾」をどう評価するでしょうか。また、その受講生・保護者は「あなたの塾」に対してどんな評価を人に語るでしょうか。 それまで塾に通っていなかった生徒についても同様です。講習を受けるだけで入塾しなかった、あるいは家庭教師を選択したとすれば、やはり「あなたの塾」にたいしてマイナスの評判を作っていくことになります。人に尋ねられれば「う~ん、夏期講習を受けてみたけれど、ちょっとね…。」という話しになることは間違いありません。 外部講習生をたくさん獲得できたと喜んでばかりもいられません。今すぐ「次の一手」を実行してください。 もちろん、講習自体は全力で最高の指導を提供していることが前提ですが、「全力で最高の指導を提供していれば、自ずと後期生として残ってくれるだろう」と考えるのは間違いです。この紙面で何度も強調してきたことですが、買い手市場に転換した日本市場では「商品の内容が良い」ということだけでは購買につながらないのです。

外部講習生に対する3段階のアプローチ

人は商品購入を決断した瞬間が最も顧客ロイヤリティー(商品・店に対する信頼感)が高いのですが、それは徐々に減退し、3週間後には「日常」に戻ってしまうことが知られています。つまり、講習終了時には受講決定以前のテンションにまで落ちてしまうのです。逆の側面から言うと、3週間高いロイヤリティーを維持することができれば、その状態が「日常」になっていきます。 つまり、講習生(新規入塾生も同様)を獲得した場合、最初の3週間の対応が重要だということです。具体的に言うと、3週間のうちに家庭(保護者)と最低3回の接触を持つことです。お勧めするのは次の方法です。 最初の1週間の間に「手書きのサンキューレター」を送ります。葉書でも充分です。受講に対するお礼と熱意を伝えることで「この塾を選択したことは間違いではなかった」と実感してもらいます。顧客ロイヤリティーの減退は購入決断直後が最も大きく(バイヤーズ・リモース)、ここでのコミュニケーションは一番効果的です。また、メール等のデジタル社会に慣れた生活の中で、究極のアナログである「直筆の手紙」はそれだけで非日常を提供することになります。慣れれば2~3分で1枚の葉書を書くことができるようになり、事務的負担も大きくありません。とある会社社長は、手紙を書くための専門秘書を設けているほどです。ぜひ、実行してみてください。 次に「電話訪問」を実行します。講習が始まって間もなくの頃に塾での学習の様子を伝え、ご家庭からの要望を聞きます。「今日は文字式の法則が分かったと熱心に問題に取り組んでいました。そんな積極的な様子を見て、私も嬉しくなりました。」と、塾での様子を伝えしましょう。また、その時点でご家庭の不満や要望があればお伺いして、以後の講習に反映させます。宿題の量、チェックテストの有無等、素早い対応は塾に対する信頼感を高めます。 ご家庭では塾の様子が分かりません。ましてや、初めて塾に行かせる保護者にとって、こうした情報公開は嬉しいものです。現場の教室長から積極的に電話連絡をして、保護者の脳裏に塾の様子が浮かぶように、できる限りリアルな情報を伝えましょう。 講習終了直前(直後)には面談によって今後のための学習カウンセリングをするとともに、正式入塾のお勧め(セールス)をします。 塾の経営者はセールスが苦手です。最後の段階で正式入塾をお勧めすることを躊躇する方が多いと思います。そこでお勧めなのが、講習申込み時に「前振り」をしておくことです。「どうぞ当塾の学習指導がお役に立つと思われましたら、9月以降の正式入塾をご決断下さい。せっかく芽生えた学習意欲を継続させ、しっかりとした成果に結びつけるためには必要なことです。」という趣旨のことを事前に伝えて、入塾書類を最初にお渡ししてしまうのです。つまり、生徒・保護者に意識付けをしてアンテナを立ててもらう訳です。すると、それを前提とした「講習」という意識を持ってもらえるので、以後のセールスがスムーズに進みます。

忙しいときほど客観的な視点を持つ

塾にとって今が最も忙しい時期ということは重々承知しています。しかし、そうした時期だからこそ塾経営者は客観的な視点を持たなければなりません。特に中小塾の経営者は自ら教壇に立つことが多く、どうしても目の前の事象に捕らわれてしまいます。そうした中でも常に役割分担を意識することです。「講師」であると同時に「経営者」の役割をこなす必要があるのです。そうでなければ、人的優位に立ち「講師」「フォロー」「アプローチ」等を役割分担している大手塾には敵いません。 中小塾だからこそできるアプローチの仕方があります。ただ、その実行を阻害する要因(もちろん、最大の要因は忙しさ)に負けてしまうと、9月以降の経営が苦しくなってしまいます。あなたの肩書きは「塾講師」ではなく「塾経営者」のはずです。大丈夫です。人は忙しいときほど時間の使い方が上手になり、行動も頭の回転も素早くなるものです。 今年度後期の発展のため、あと一歩の頑張りを期待します。

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