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新時代のマーケティング論(13) オリンピック情報に思う/国家の品格 2006年3月私塾界掲載分

  • 執筆者の写真: 森智勝
    森智勝
  • 2024年2月13日
  • 読了時間: 5分

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。 トリノ・オリンピックが終わりましたね。皆さんは「忙しくて」オリンピックどころではなかったでしょうが、皆さんが忙しい時期に失業状態に入る私は、結構満喫していました。 事前のメダル獲得目標5個~10個に対して、結果はご存知のように女子フィギアの荒川静香選手の金メダル1個。何かの調査で「最も期待はずれだった種目」のトップはスノーボードハーフパイプだったそうです。オリンピック前は「男女ともメダル確実」と言われていたのですが、ほとんどの選手が予選落ちしてしまいました。ただ、これはメダルを期待する方が間違っています。ちょっと詳しい人ならば、最もレベルの高い選手達はW杯などに出場せず、賞金大会に出ていることは誰でも知っています。それなのに大会関係者さえも「ハーフパイプでメダルは確実」なんて言っているので「ちょっと知っている」私はビックリしたものでした。残念ながらこの種目の日本人選手と他国(特にアメリカ)の選手との間には力量の差があることを認めざるを得ません。

それよりも気になった記事を読みました。オリンピック取材記者(中日新聞)の座談会なのですが、ハーフパイプ取材担当の記者がこんなことを言っていたのです。「海外まで同行取材することがあったのだが、彼らの多くが搭乗カウンターのロビーでフロアに座り込み(いわゆるジベタリアン)だらしない格好をしていた。正直、彼らにはメダルを取って欲しくないと思った。」ハーフパイプは新しい競技で若者に人気が高く、選手達も10代が中心です。確かに私のような「おじさん」にはついていけない部分があるのも確かです。それにしても同行記者から「メダルを取って欲しくない」と思われるような行儀・振る舞いをしていたとしたら…問題です。記者も新聞に載ることを承知で話しているのですから、実際にはもっと目に余る振る舞いがあったことは想像に難くありません。

最近、やたらと人権や個性の尊重が叫ばれていますが、その影で日本人の美意識が忘れ去られています。コンビニの前でジベタリアンをして飲食し、ゴミを散らかせたまま平気で去っていく若者達を見ると暗澹たる気持ちになってしまいます。国を代表するオリンピック選手までがそうだとすると、やはりこのまま黙ってはいられないと思ってしまいます。正に、ぎりぎりの正念場で「国家の品格」が問われているのです。

ある優良中小企業の社長と話していたときのことです。話題がニートの問題になったとき、その社長は「子供たちをどうこうするより、我々大人が変わる方が先だ。」という趣旨の意見を述べられました。「子供は親の鏡」と言いますから、理屈は分かります。多分、誰も反論しないでしょう。だから困るのです。いつも言っているように、誰も反論できない抽象的意見は役に立ちません。なぜなら誰も実行に移せないからです。この場合必要なことは「大人が変わるための具体的方策」です。とにかく行動に出ないと何も変わらない。今年、楽天球団の監督に就任した野村氏は「意識が変われば行動は変わる」と言いますが、私は逆だと思っています。「行動が変われば意識は変わる」のです。

私は今回、日本青少年育成協会に加盟しました。何か行動に出なければならないという危機感からです。ところが加盟してビックリ。(私も今まで無関心だったことを棚に上げて言うのですが)加盟している塾が70そこそこしかない。全体でも160程度。そのうち30は年会費が未納状態と言います。まあ、協会がほとんど情宣活動をしていなかったこともありますが、内閣総理大臣認可の団体としてはあまりにも淋しい。

大きなチャンスだと思うのです。ここ数ヶ月言い続けているように、日本を真っ当な国に引き戻す分岐点です。今、壮大な綱引きに参加しなければ、若者全てが六本木ヒルズを目指す社会へと流れてしまいます。私は?日本青少年育成協会という器を使って、綱引きに参加しようと思っています。「そんな一人で頑張って何ができる。無駄だよ。」というシニカルな意見・感想に耳を貸すつもりはありません。私はトイレのスリッパから揃える人間になりたい。(岡田淳著「竜退治の騎士になる方法」より)抽象的な意見だけを述べる評論家の立場に留まっていては何も変えられないのです。

翻って塾経営を考えたとき、「あなた」はスタッフに対してちゃんと行動指針を示していますでしょうか。抽象的な精神論だけを提示して、あとは「とにかく塾生を増やせ、売上を増やせ」と丸投げしていませんでしょうか。そうした経営者ほど結果の出ないスタッフに対して「能力が無い、やる気が無い」と決め付けがちです。社員の意識を変えたければ行動を変えさせることです。そのためには具体的な行動内容を示さなければなりません。けっして精神論や過去の自慢話?に終始しませんように…。

ご存知のように、全国私塾情報センター主催「第12回全国縦断学習塾経営セミナー」が3月12日の東京を皮切りに全国7都市で開催されます。(これをお読みの頃は東京開催は終了済みでしょうか。)私も基調講演を担当します。私の専門は「中小塾のマーケティング」ですが、中大手塾(特にスタッフ)の方にも参考になる話をするつもりです。ぜひ、足を運んでいただき、声をお掛け下さい。いろいろな意味で塾業界が危機に面している今こそ、関係者が知恵を出し合い、業界の活性化に取り組まなければなりません。壮大な綱引きへの「あなたの参加」をお待ちしています。

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