1月末頃からAIチャットが大きな話題となっています。
特に大きな注目を集めたのはOpenAI社のChatGPT(チャットジーピーティー)で、その特徴として自然言語に近い文章を理解し、文脈を踏まえた回答を返してくれる点が挙げられます。
実際にChatGPTを試してみたので、その結果を紹介します。
【例1】数学
命令:次の式を因数分解してください
a^2 - 2ab + b^2 - c^2
※PCでは「aの2乗」を「a^2」と表します
回答:
与えられた式 a^2 - 2ab + b^2 - c^2 は、2つの完全二乗の差として書くことができます。
(a-b)^2 - c^2
この式は、2つの平方の差の公式 (a-b+c)(a-b-c) を使って、さらに因数分解できます。
(a-b+c)(a-b-c)
以上が、与えられた式 a^2 - 2ab + b^2 - c^2 の因数分解です。
【例2】英語
命令:次の文を日本語に訳してください
During the summer vacation I went to the park with my friends to play baseball almost every day.
回答:
夏休み中、私はほぼ毎日友達と一緒に公園に行って野球をしました。
命令:さっきの文を文節ごとに区切って日本語に訳してください
回答:
During the summer vacation | I went to the park with my friends | to play baseball almost every day.
夏休み中、| 私は | 友達と | 公園に行って | 野球をするために | ほぼ毎日 | 行きました。
【例3】社会
命令:大化の改新のことを200文字程度でまとめてください
回答:
大化の改新は、7世紀に日本で起こった政治的・文化的な変革期を指します。この時期、大化元年(西暦645年)に推古天皇が即位し、大化の改新が開始されました。この改新は、律令国家を確立することを目的とし、中国の唐の制度を参考にした政治・社会制度の整備や、官人の任命・地方制度の改革などが行われました。また、漢字の導入によって文化的な発展も見られ、蘇我氏を中心とする豪族勢力と、新しい中央集権体制の対立が起こりました。このような大化の改新は、日本史上初めての政治改革期であり、その後の日本の政治・社会・文化に大きな影響を与えることになりました。
中学生の学習内容をイメージした問いをいくつか投げかけてみました。
上記の例を見ると、カンニングや宿題の形骸化などの不正利用を懸念してしまう塾長も多いのではないでしょうか?
ただ、使い方によっては塾側にも教務の効率化などのメリットをもたらすと考えています。
【例4】問題作成(理科)
命令:中学生向けに理科の光合成に関する問題を5問作ってください
回答:
光合成で放出される酸素はどのように生物に必要な役割を果たしているのでしょうか?
光合成で吸収される光はどのような波長のものが多く、どのような波長のものが少ないのでしょうか?
光合成に必要な物質は何でしょうか?また、それらがどのような役割を果たしているのでしょうか?
光合成には二つの段階がありますが、それぞれどのような場所で起こるのでしょうか?
光合成において、炭素固定が起こるのはどの段階でしょうか?炭素固定とは何を意味するのでしょうか?
【例5】レジュメ作成(数学)
命令:正の数の平方根に関する授業を行う際のレジュメを考えてください
回答:
【レジュメ】 正の数の平方根について
1.定義と表現
平方根とは、ある数を二乗した結果が与えられた数になる数のことを言います。
例えば、4の平方根は2で、2^2 = 4 です。
平方根は √ の記号を用いて表記します。
2.正の数の平方根の求め方
正の数の平方根は、累乗根を求める公式を用いて求めることができます。
累乗根を求める公式は、 √a = a^(1/2) と表されます。
例えば、25の平方根を求める場合は、25^(1/2) = 5 となります。
3.平方根の性質
平方根は常に非負の値をとります。
また、ある数の平方根が整数である場合、その数は平方数と呼ばれます。
平方根を計算する場合、正の数に対しては二つの解が存在しますが、一方が負の数になることはありません。
4.平方根の応用
平方根は幾何学的な図形の面積や体積を求める際に利用されます。
また、二次方程式の解を求める際にも平方根が必要となります。
【練習問題】
49の平方根を求めよ。
81の平方根を求めよ。
2の平方根を求めよ。
10の平方根を求めよ。
平方数である自然数を5つ挙げよ。
画像が扱えなかったり、精度の部分でまだ発展途上である感も否めませんが、上手に使えば授業の準備や塾経営の効率化に役立つのではないでしょうか?
GAFAMと呼ばれる巨大IT企業も軒並みAIへの投資を加速させていますし、今後さらに発展すれば、あらゆる分野においてゲームチェンジャーになり得る可能性があります。
また、これだけ大きな話題となった以上、現時点においても既にAIチャットに触れた経験がある生徒も多いことでしょう。
実際に活用するかどうかはさておき、塾側としてもある程度動かし方や仕組みを理解しておいた方が良いかと思われます。
Comments