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中小塾のためのマーケティング講座67 不況時ほど授業の質が問われる!

執筆者の写真: 森智勝
森智勝
2024年8月7日
読了時間: 5分

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。

2009年3月私塾界掲載分

100年に一度の大不況の真っ只中に2009年が明け、新年度移行シーズンを迎えました。これまでの不況時と違い、今回は全世界的規模で起こっています。さすがに産業構造上では川下に位置すると言われている教育産業も他人事ではありません。各地の塾に「お父さんの残業代がなくなった。」「お母さんのパートが切られた。」という声が寄せられています。 私は安易に「ピンチはチャンス」と言うつもりはありません。やはり、ピンチはピンチです。ただ、「これまでのように『株券』や『証券』といった紙切れに投資するよりも、子供という『人』に投資をする方が確実で有効ですよ」という主張を強めるには良い機会だと思っています。そうした主張を塾が地域に発信して「そうですよね」という共鳴、共感の輪を広げていく…いわゆるマスタービジネスへの転換が求められているのでしょう。今年度の「あなた」のご活躍を大いに期待しています。

商品の本物化を急げ

かつてバブル景気崩壊後の不況時に伸びた分野として「100円ショップ」と「ブランドショップ」が象徴的に取り上げられたことがあります。「ベンツに乗ってエルメスのバッグを掲げ、100円ショップに行く時代」と言われたものです。一見、両極端な小売業と思われがちですが、根っ子のところでは共通点があります。 100円ショップに初めて来店したときに、多くの方が思ったはずです。「これで100円?」「これなら充分使える」…つまり、100円という価格にも関わらず、「本物」を提供したのです。ブランドが支持された根本的な理由も同じです。商品が本物…コレです。 不況時になると消費者の財布の紐が固くなり、無駄なお金を遣わないようになります。費用対効果に対する意識が高くなります。そうした時、本物の商品を提供することはビジネスの大前提です。 塾業界でも同じです。まず、「商品が本物か」が問われてくるのです。塾の商品とは言うまでもなく「授業」です。今、全てに先んじて取り組まなくてはならない課題は、授業の質を向上させることです。教材、カリキュラムを見直し、指導教師の研修を実施し、「客」に提供する商品をブラッシュアップすることです。 その上で選択すべきが100円ショップ路線を行くかブランドショップ路線を行くかです。私は中小・個人塾が100円ショップ路線を選択するのはおススメしません。この路線は資本の大きな…ランチェスター経営で言うところの「強者」にのみ可能な戦略だと考えています。なぜなら、同じ土俵に乗った瞬間からチキンレースに巻き込まれ、体力の弱い企業では勝てないからです。 いきおい「ブランドショップ路線」を選択することになるのですが、その場合に必要なのが「圧倒的な暗黙知」です。「エルメスのバッグ」は一般のデパートやスーパーでは売っていません。そこに行かなければ入手できない希少性の高い商品です。同様に、「あなたの塾に行かなければ手に入らない商品(授業)」がなければ成立しないのです。以前からお話しているように、「どこにでもある補習塾」では通用しません。その路線を行くのであれば、「どこにもない補習塾」を作り上げることです。他塾から「さすがにあそこまでは出来ない」と思わせるだけの強烈な「何か」を提供することです。 こうした話をすると、「ウチにはそんな『何か』が存在しない」と言われる方がいますが、絶対にそんなことはありません。必ず、あなたの気付かない何か、強烈な暗黙知の本種は存在します。なぜなら、それすら保有していない塾は、今の厳しい競争時代、既に淘汰されているはずだからです。

マーケティングの本格化を急げ

最近でこそ「マーケティング」という言葉も一般的になってきましたが、まだまだ中小・個人塾の経営者には拒否反応を示す方がいます。そうした方は、マーケティングの意味を「口先で客を騙して売りつける手法」と誤解しています。本来のマーケティングとは、「商品の内容(素晴らしさ)を早く正確に伝える手法」のことです。つまり、商品が本物であることを前提とし、それを広く認知してもらう手法のことです。 かつて、芸能界には「タレントショップは3ヶ月で潰れる」という格言?がありました。当時のタレントショップの多くが「名義貸し」であり、タレントの知名度を利用したビジネスでした。すると、開店当初は話題性もあり多くの客を集めることができますが、商品が偽物の場合は、客を集めれば集めるだけ悪い評判を早く拡げることになります。結果、多くの店が3ヶ月で潰れるというわけです。 塾業界でも、ある塾が開校時に入塾記念品として高額商品を配ったことがあります。周りの塾からは「人を物で釣る」というやっかみにも似た批判があったようですが、その教室は1年後、二百名の塾生を集めていました。つまり、商品(授業)が本物だったのです。多くの塾が販促物としてクリアファイルやペンを配るのと同じレベル(考え方)で高額商品を配ったに過ぎません。商品(授業)の良さを「早く正確に伝える手段」として有り得る選択です。(後は費用対効果の判断です。) あなたの塾のマーケティング戦略は整っていますか?ぜひ、今一度、1年間を通した全体像を見直してください。

繰り返しになりますが、塾業界にとって今年度は試練の年です。あなたの大いなる活躍を心から期待しています。その営みによって業界を活性化させ、地域を豊かにしていくことが塾人としての社会貢献の王道だと信じています。

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