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中小塾のためのマーケティング講座83 塾から出される文章は全てビジネス文だ!

  • 執筆者の写真: 森智勝
    森智勝
  • 2024年8月23日
  • 読了時間: 5分

この記事は塾生獲得実践会の森智勝氏のご厚意により、全国学習塾援護会のHPから転載したものです。

2010年7月私塾界掲載分

今、私が主宰している勉強会では今年、コピーライティングの研修に力を入れています。「最初に言葉ありき」と言われるように、人は言葉以外の手段で思いを伝えることは不可能です。「あなた」が受けた感動も、喜びも、言葉で表現しなければ人に共鳴・共感を与えることはできません。今回は、そうしたコピーライティングのテクニックの一部を実際の例文を基にお話します。

ビジネス文は正直と謙遜が美徳ではない!

まず、とある個人塾の塾長さんが書いた例文(抜粋)をお読み下さい。テーマは卒塾生に対する「はなむけの言葉」です。

中3生の皆さん、間もなく卒業ですね。おめでとう。3年間、勉強に部活に本当によく頑張りました。そして4月からは高校生。真新しい制服を着て、元気に登校する皆さんの姿が浮かんできます。しかし、高校受験が終わったからといって、安心してはいけません。人生の競争は今から始まるのです。 ところで皆さんはどうして高校へ進学したのですか?そんな質問をされても困りますよね。日本の社会では、高校へ行くことが当たり前のこととされているので、進学の目的や動機なんて考えたことがないというのが正直なところでしょう。 私もそうでした。①皆が行くから、②あまりレベルの低いところは恥ずかしい(特に親は)、③私立はお金がかかるから県立…といった程度の進学理由で高校受験をしました。 当時私が通った高校は、1学年8クラスで1クラス五十人近くの生徒がいました。入学直後の学力テストで学年三十番台を取り、いい気になりました。「楽勝!」と思い上がり、その後あまり真剣に勉強をしませんでした。部活に熱中し、勉強はそっちのけで、楽しい高校生活を送ってしまいました。当然、成績は下降線。気が付けば成績は中の下まで下がってしまいました。高3になってから一応頑張ってはみたものの、錆付いた頭はなかなか思うようには働いてくれません。結局、一浪してなんとか大学に入ることになりました。皆さんには決して私と同じ失敗をしてほしくありません。(中略) 高校は自分の人生に直結した場です。夢に向かって最初の一歩を踏み出すところです。あなたの夢は何ですか?あなたは何になりたいですか?「・・・。」あなたが即答できないのも当然です。誰も答えることはできないでしょう。 私もそうでした。高3になる頃からやっとなりたいと思う職業が出てきました。飽きっぽい性格なので、弁護士、大学教授、小説家、評論家とコロコロ変わりましたが。残念ながら努力不足で夢見た職業にはつけませんでした。 夢を持つこと、夢を語ることが気恥ずかしく思われる変な時代です。親でさえ「何バカな事言っているの!」と子供たちの夢を否定する世の中です。しかし夢を持たないと人生を生き抜く力が出ません。夢を持ちましょう。夢を語りましょう。私は約束します。誰もあなたの夢を聞いてくれなければ、私が黙って聞くことを。

文章は読み手の感情を想像して書く!

最初に気になるのは「親を攻撃する筆致」が混じっていることです。塾からの発行物は親も読むことを想定すべきです。

「あまりレベルの低いところは恥ずかしい(特に親は)」や「親でさえ『何バカな事言っているの!』と子供たちの夢を否定する世の中です」という記載は避けた方が無難です。

子供たちが卒塾した後は保護者が口コミの媒体となります。筆致を控えるか、せめて「大人たち」という表現に改めるべきです。

次に、原文の「私もそうでした。高3になる頃からやっとなりたいと思う職業が出てきました。飽きっぽい性格なので、弁護士、大学教授、小説家、評論家とコロコロ変わりましたが。残念ながら努力不足で夢見た職業にはつけませんでした」は、正直過ぎます。

前半の「私もそうでした①…」「楽勝!」等々の記載も含め、リアルに書き過ぎています。

大切なのは塾生たちが前向きに、意欲を持って高校生活に踏み出すことです。正直に書くことが、それに資するとは限りません。

塾経営者は「正直/謙虚」を美徳としている人が多く、自分のことを謙遜して書く傾向にあります。しかし、それが全て「正しい」というわけではありません。多少の演出やデフォルメを加えてでも、子供たちに前向きな意識を持たせたいものです。例えば、文章の「一浪して…」のくだりの後に次のような文章を追加します。

(例)私が幸運だったのは、浪人中に通った予備校で素晴らしい先生に出会えたことです。先生は勉強だけでなく「人生」について熱く語ってくれました。先生の一言一言に胸を打たれ、おぼろげながらも自分の夢、目標を掴むことができました。そして、それを形にしたのが、現在の塾教師という職業です。

YOUメッセージ(あなたは)だけではなく、Ⅰメッセージ(わたしは)を混ぜましょう。受験に向けた生徒の奮闘をリアルに振り返り、「…厳しい指導をしながらも、『負けるな、負けるな』と何度、心で叫んだことでしょう」等の表記があると感動が伝わります。読者に「ああ、先生も一所懸命に指導、応援してくれていたんだなあ。厳しかったけれど、いい先生だったなあ」と思ってもらわなければ、口コミ・評判につながりません。

あとは、もう少し臨場感のある箇所があると、より良くなります。読んだ生徒が塾での場面をリアルに思い出せるような…

例:あの夏の日、君は毎日のように塾に通い、必死で勉強に取り組んでいましたね。部活動で遅れた分を1ヶ月で取り戻そうとするかのように。自習室にコツコツと響くシャープペンシルの音が今も私の耳に残っています。君は気付かないでしょうが、あの時、君は一日一日成長していましたよ。

我々が書くのは日記のようなパーソナル文章ではありません。客に読ませるビジネス文です。読み手の反応を想像して書くことが必要です。大切なことなので最後に繰り返します。

思いは伝えなければ伝わらない。そして、そのためなら多少の演出とデフォルメは許される。

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